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村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』舞台版に古川雄輝、松井玲奈ら

2019年02月25日 13:10  CINRA.NET

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左から古川雄輝、松井玲奈、川口覚、木場勝己 提供:ホリプロ
村上春樹原作の舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』が、7月下旬から東京・よみうり大手町ホールで上演される。

日本初上演となる同作は、阪神・淡路大震災をテーマにした村上春樹の短編小説集『神の子どもたちはみな踊る』から「かえるくん、東京を救う」「蜂蜜パイ」を舞台化するもの。地震そのものではなく、地震のニュースを見た人々の心の中で起こったことを描く。脚本は2005年にアメリカで上演されたフランク・ギャラティ版を使用。

主人公で作家の淳平役に古川雄輝、淳平の大学時代からの友人・小夜子役に松井玲奈、物語の鍵を握る「かえるくん」役に木場勝己、冴えないサラリーマン片桐役と淳平の友人で小夜子の元夫・高槻役に川口覚がキャスティング。演出は倉持裕が担当する。

古川は「村上春樹さん原作の作品に主演させて頂き、大変光栄です。沢山いらっしゃる原作ファンの皆様の期待にも応えられるように努力したいと思います」、松井は「私が演じる小夜子という役には、原作には書かれていない、彼女の複雑な心情があるなと思っています。言葉にできない感覚的な思いというのは、女性が心の中に留めがちなものだと思うので、自分なりにどう表現できるのか挑戦だと感じています」とそれぞれコメント。

なお同企画は、蜷川幸雄が演出した舞台『海辺のカフカ』に続くコラボレーション『Ninagawa×Murakami』の第2弾として構想されていたが、蜷川の逝去により中断。2014年に蜷川が演出したカズオ・イシグロ原作の舞台『わたしを離さないで』の脚本を手掛けた倉持裕が演出を後任することになり、今回の上演に至った。

チケットの一般発売は5月11日を予定。東京公演終了後には愛知と兵庫を巡回する。

■倉持裕のコメント
村上春樹さんの小説は十代の頃から読み始め、新刊が出るのが最も待ち遠しい作家でした。俯瞰した視点、ふとしたきっかけに異世界に深く潜っていく展開など、作劇する上で多大なる影響を受けました。今回の芝居の原作『神の子どもたちはみな踊る』は、短編集の中で最も好きな作品です。戯曲は、モノローグを駆使することによって、過去と現在、現実と虚構を行き来しながら展開します。それらの継ぎ目をなだらかにつなげて、一枚の絵として演出したいと考えています。キャストには素晴らしい俳優が揃いました。古川雄輝さんとは、主演された『イニシュマン島のビリー』を拝見して以来、いつかご一緒したいと思っていました。静かに、強い信念を崩さないムードが役に合っています。松井玲奈さんは非常に知的な印象で、インテリな役のイメージにぴったりです。何度もご一緒している川口覚さんは、誠実な男も軽薄な男もどちらも似合う俳優です。木場勝己さんは、シアターコクーン『8月の家族たち』が印象的でした。ファンタジックなキャラクター「かえるくん」を、毅然と、楽しんで演じて頂けたら、と期待しています。

■古川雄輝のコメント
村上春樹さん原作の作品に主演させて頂き、大変光栄です。沢山いらっしゃる原作ファンの皆様の期待にも応えられるように努力したいと思います。台本をいただいた時に、村上春樹さんならではの世界観を持った物語だと感じました。初めてご一緒させていただく倉持さんのもと稽古を通して、淳平の心情を繊細に表現できるように、役者として少しでも成長できるように頑張りたいと思います。また初共演の松井玲奈さんとのお芝居も楽しみです。淳平と小夜子の距離感をリアルに演じたいです。先輩の木場勝己さん川口覚さんからは、たくさんのことを吸収できるよう勉強させて頂きます。映像では味わえない、お客様の前で生でお芝居をするライブ感を楽しみにしながら、稽古に励みたいと思います。

■松井玲奈のコメント
村上さんの作品に深く触れていきたい、と思っていた時にこの舞台のお話があり、なんというタイミングだろうとびっくりしました。震災をテーマにした作品はいつだってやるべき時にあるのだなと、感じずにはいられない作品です。私が演じる小夜子という役には、原作には書かれていない、彼女の複雑な心情があるなと思っています。言葉にできない感覚的な思いというのは、女性が心の中に留めがちなものだと思うので、自分なりにどう表現できるのか挑戦だと感じています。今回始めて演出を受ける倉持さん自身もこの作品をどう表現するのか思考を巡らせていらっしゃったので、頭の中のプランがどんな風に形になっていくのかが今からとても楽しみです。初共演の古川雄輝さんも、小夜子と沙羅の二人に優しく寄り添い見守ってくださると思います。

■川口覚のコメント
村上春樹さんの作品を役者として探究できる事に感謝と興奮しています。
倉持さんの演出を受けるのは3度目になります。
倉持さんとの作品作りは、楽しかったり苦悩したり、その都度、自分にとって必要な事を必ず気付かせてくれる贅沢な時間です。
細胞を鋭敏にし、倉持さんのイメージを体現できるよう、共演者の方々、全スタッフの皆様と共に邁進して参りたいと思います。

■木場勝己のコメント
村上春樹さん原作の舞台、『海辺のカフカ』のパリ公演本番中になります。
その村上さんの作品、『神の子どもたちはみな踊る』に再び出演することになりました。私の役は、「ナカタさん」から「かえるくん」に変わります。この二つの役に共通しているのは、数奇な運命と成し遂げなければならない使命であります。もう何も考えません。今回初めてになる演出の倉持裕さんに、すべてをお任せしようと思っています。