ACOフランス西部自動車クラブが統括するELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズは2月12日、2019年シーズンのフルシーズンエントリーリストを発表。LMP2、LMP3、GTEクラスから計41台が名を連ねた。
欧州を転戦するスポーツカーシリーズであるELMSは2019年シーズンも4月12~14日に行われる開幕戦ル・キャステレ(ポール・リカール)4時間レースを皮切りに、モンツァ、バルセロナ、シルバーストン、スパ・フランコルシャン、ポルティマオという全6ラウンドで、各4時間の耐久レースが実施される予定だ。
今回エントリーリストに掲載された41台は、それぞれのクラス王者とランキング2位に付随する2020年ル・マン24時間への自動エントリー権獲得を目指してシリーズを戦っていくことになる。
そんな2019年シーズンに臨むのはLMP2クラスが18台、LMP3は14台、GTEでは2014年以来最多となる9台だ。
LMP2クラスでは昨年、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンを決めたロマン・ルシノフ率いるGドライブ・レーシングをはじめ、WEC世界耐久選手権にも参戦しているドラゴンスピード、リジェJS P217ユーザーのユナイテッド・オートスポーツ、パニス・バルテズ・コンペティションなどの継続参戦が決定。
その一方で、昨シーズンLMP3クラスのチャンピオンとなったRLR・Mスポーツが元F1ドライバーのブルーノ・セナを擁して新規参戦するほか、同じくLMP3クラスからインターユーロポール・コンペティション、クール・レーシング、BHKモータースポーツがステップアップを果たす。
さらに、イギリスの名門シングルシーターチームであるカーリンが、唯一のダラーラP217ユーザーとしてELMSに乗り込んでくることが決まり、注目が集まっている。
LMP3クラスでは10台のリジェJS P3と4台のノルマM30が激突。前述のRLR・Mモータースポーツやインターユーロポール・コンペティションをはじめ、2017年王者のユナイテッド・オートスポーツや、360レーシング、ニールセン・レーシングがそれぞれ2台体制を敷く。
なお、リジェとノルマ、いずれのシャシーでもニッサンのLMP3用ワンメイクエンジン“VK50VE”が用いられる。
■ケッセル・レーシングは83号車フェラーリに女性ドライバー組を設定
今季から戦績に応じた“サクセスバラスト”が導入されるGTEクラスは、5台のフェラーリ488 GTEと4台のポルシェ911 RSRががっぷり四つの様相をみせる。
ディフェンディングチャンピオンであるプロトン・コンペティションは88号車ポルシェとともに、WECの元GTEプロクラス王者リチャード・リエツを迎えた77号車ポルシェを走らせる予定だ。なお、77号車ポルシェはチーム名をデンプシー・プロトン・レーシングとしている。
この他のポルシェ陣営はEBIモータース、WECのGTEアマクラスに参戦中のプロジェクト1の2チームだ。
対するフェラーリ陣営は、強豪JMWモータースポーツに加え、WECやAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズにもフェラーリで参戦しているスピリット・オブ・レース、2台中1台をオール女性ドライバーの布陣としたケッセル・レーシングをラインアップ。
さらに、スピリット・オブ・レーシングによって運営されるスイスのルジッチ・レーシングを新たに迎え、2年ぶりのタイトル獲得に向けて体制を強化している。
全6戦で争われる2019年ELMSは開幕直前の4月8~9日にポール・リカールで公式プレシーズンテストが行われ、同じ週の週末に開幕戦ル・キャステレ4時間レースが開催される。