2月18日、いよいよバルセロナF1合同テスト初日を迎えた。レッドブル・ホンダはすでに2月13日にシルバーストンでシェイクダウンを行ないノートラブルで約100kmを走破していたが、初の本格的なテスト走行となるバルセロナではやはり新たな課題も見つかることとなった。
午前9時のセッション開始からやや遅れてコースインしようとエンジンに火を入れ、ピットガレージの前を覆う衝立を開けたものの、データ上に警告が出たため、念のため取りやめ。改めてコースインしようとガレージを出てピットレーンを走ったところで、アルファロメオのキミ・ライコネンがコース上にマシンを止めて赤旗が出たため、マックス・フェルスタッペンも急きょマシンを止めてメカニックたちが駆けつけてガレージへと押し戻すという1日の始まり。
朝は冷え込みが厳しくタイヤが機能しないため、基本的なシステムチェック以外では気流センサーなどを使った空力データ収集が中心。
インストレーションチェックの後、車体側にマイナートラブルが見つかって修復作業に時間を取られたこともあって、レッドブル・ホンダのピットガレージはしばらく閉ざされたままとなった。
10時40分になってようやくRB15が再びガレージから姿を見せ、多くのマシンと同様に黄色のC3ピレリタイヤを履いて少しずつ周回数を積み重ねていく。午前11時半になるとフェラーリはセバスチャン・ベッテルが快調にタイムアタックを行ない始めて早くも1分18秒台のタイムを記録し始めるが、レッドブルはまだ1分20秒台前半。それでも昼前から連続走行を行なって午前中は52周まで周回数を伸ばしてきた。
1時間のランチブレイクを利用してマシンに変更を加え、午後は3時過ぎから走行を再開。C2タイヤで20周のロングランを行ない、その冒頭で1分19秒600を記録。約30分にわたるランの後は、C3タイヤでさらにロングラン。午後5時までに100周を超え、さらにここからC3タイヤでラップタイムを1分19秒426まで詰めた。ただしこれはロングランの中で記録したもので、同じC3タイヤでこの日のトップタイム1分18秒161を記録したフェラーリのようにタイムアタックを行なった結果ではない。
■タイムアタックは行わずマイレージ優先のテストプログラムを消化するレッドブル・ホンダ
まずはタイムではなくマシンを理解するためにマイレージを重ねることを最優先にテストプログラムを進めたとレッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは説明する。
「(2018年に較べて)クルマは非常に信頼性が高いし、ドライバーたちもそれに対して非常にハッピーだ。最初の数日はタイムの結果についてあれこれ言うべきではないと思う。我々は自分たちのやるべきテストプログラムに集中しているよ、まだテストは始まったばかりなんだからね」
「今週のテストの主な目的は、マイレージを重ねてこの車体とパワーユニットという非常に複雑な合体についてしっかりと理解を深めることだ。それぞれがお互いに調和して機能しているのか、それを理解していかなければならない」
「だからテスト1週目はまずはマイレージを稼ぐことが重要だ。データはリアルタイムでミルトンキーンズに送られ、多くのエンジニアが分析してマシンの特性を学び、長所と短所をしっかりと把握する。そうすることで何カ月も先の開発の方向性を見定めていくんだ」
1日のセッションを終えたフェルスタッペンは、詰めかけた報道陣に対して煙に巻くような冗談半分のコメントだけで足早に切り上げた。しかしトラブルが続発した昨年のような不機嫌な表情ではなく、その足取りは明らかに軽やかだった。
「全てはとても上手く機能してくれているし、実際とても多くの周回数をこなすことができた。その点はとてもハッピーだよ。他のみんなもそうだと思うけど、まだまだマシンのこと、パワーユニットのことを学んでいかなければならないからね。今のところ、とても良いしハッピーだよ!」