2019年から、全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催されるかたちで、全5~6戦が予定されているTCRジャパン・シリーズ。ひさびさに日本でスプリントのツーリングカーレースが楽しめるレースだが、初年度から15台ほどのエントリーを集めることになりそうだ。
TCRは、2014年に構想が生まれたツーリングカー規定。同様に各国に広まったGT3を参考に、バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)で性能を揃え、メーカーが製作したマシンをチームが購入して戦うカスタマーレーシングカーだ。現在世界中でTCR規定のレーシングカーは非常に数多く流通しており、TCRマシンを使ったレースはスプリント、耐久を問わず数多く開催されている。
そんなTCR車両の広がりを受け、2019年からスーパーフォーミュラをプロモートする日本レースプロモーション(JRP)が中心となり設立した日本TCRマネジメントが開催を目指しているのが、TCRジャパン・シリーズ。すでにピレリ・スーパー耐久シリーズではTCRのクラスが設けられているが、スプリントフォーマットでのTCRのレースは日本初。スプリントのツーリングカーレースは、1998年に当時のJTCC全日本ツーリングカー選手権が終了して以来となる。
シルバー/ブロンズのドライバーのみに参戦を絞ったり、2日間でそれぞれ開催するレースをシリーズ化したりと、レースを盛り上げるべくさまざまな施策を設けているTCRジャパン・シリーズだが、5月18~19日にオートポリスで開催される記念すべき開幕戦に向け、少しずつエントリーが集まっているようだ。
すでにHitotsuyama Racingやバースレーシングプロジェクト(BRP)がシリーズ参戦を表明しているが、オートスポーツwebがさまざまなエントラント等に取材を行ったところ、すでにエントリーは15台を超えているようだ。もちろん車両のデリバリー等の関係で、開幕戦に全車がそろわない可能性もあるが、今後エントリーも増える可能性もあり、初年度としては充実の台数がそろうことになるかもしれない。
車種バラエティとしても多くの台数が流通するアウディRS3 LMS、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR、そしてホンダ・シビック・タイプR TCRが見られそう。さらに、アルファロメオ・ジュリエッタTCRの登場もあり得そうだ。
ドライバーについては先述のとおり、ドライバーカテゴライズ上のシルバー/ブロンズのドライバーしかレースに参戦することはできないが、スーパーGT GT300クラスでも優勝経験をもつが、現段階でシルバーに該当するドライバーの参戦もありそう。近年はブロンズでも非常に速い日本人ドライバーも多く、レースは見応えあるものになるかもしれない。