スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウが、15日、首脳陣とドライバー勢出席のもと、2019年型マシン『SF90』の発表会を本拠イタリア・マラネロで行った。
当日はフェラーリ社CEOルイ・カミレリ、チェアマンのジョン・エルカン、フェラーリF1チーム代表マッティア・ビノット、レースドライバーのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが登壇してスピーチを行い、最後に『SF90』が披露された。
チーム創設から90年目の節目となる2019年、フェラーリはF1マシンの名称を『SF90』に変更。全体がマットレッドにペイントされ、スポンサーを務めるフィリップモリス・インターナショナルの“Mission Winnow”プロジェクト名の文字とロゴが車体に複数箇所入っており、大部分のロゴのカラーが昨年のホワイトから濃いグレーあるいはブラックへと変更された。
フェラーリは2017年、2018年とランキング2位に終わり、悲願のタイトルを逃している。今年はチーム代表が交代、高い評価を受ける若手ルクレールが加入し、新たな体制で王者メルセデスに挑む。
■「限界に挑戦し、満足いくマシンができた」と代表ビノット
「2018年から我々は非常に良い成果を出してきた」とビノットは言う。
「このマシンでは、大改革を行ったというよりも昨年型マシンを発展させた。ハードルをさらに上げ、限界に挑んだ」
「フロントウイングなどの変更は新レギュレーションに従ってのものだが、細かい部分を見れば、創造性を持って限界に挑戦したことが分かるだろう。ボディワーク後方は非常にスリムになった。全員のハードワークの賜物であり、この仕事に満足している」
フェラーリは『SF90』(デザインコード670)の設計にあたり、2019年の新空力規則や車体の最低重量引き上げ等に従って、さまざまな変更を行った。最も顕著な違いはフロントおよびリヤウイング、バージボード、フロントブレーキダクト等のデザインが一新されたことである。
一方で、空力効率を向上させるため、エンジンカバーを大幅にタイト化。エンジンコンポーネントを改良し、一部パーツの配置を変更することで、省スペースを達成、ボディワークのデザインをコンパクト化したという。これによりリヤウイングへの空気の流れを整えられるというメリットが得られる。エアインテークは2016年型と同様の形状ではあるが、小さいながらも2018年型SF71Hと同レベルの冷却効率を達成している。
パワーユニットについては、2019年型064PUは、エンジンの燃焼、エネルギーリカバリーの改善に取り組み、熱効率およびメカニカル効率の両方を向上させたものだという。パワーユニットのレイアウトは、全体的なマシンデザインにフィットするよう設計され、エネルギー・ストレージ・システムの重量と体積が削減された。