2019年02月15日 16:21 弁護士ドットコム
愛媛県庁に1月下旬、約1億円とみられる紙幣が入ったダンボール箱が、県知事あてに届いた。「何かの役に立ててください」という内容の手紙も添えられており、愛媛県は「県民のために使いたい」としている。
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県総務管理課によると、紙幣はボロボロの状態だが、仮にすべて本物の1万円札だとすると、約1億円あるとみられる。手紙には、差出人の住所・氏名は架空で、こうした匿名の寄付は「おそらく前例がない」という。
紙幣の劣化具合はかなり激しいようだ。TBSは「湿度の高いところに保管していたのでしょうか、カビが生えたり、溶けて固まったりと、かなり激しく劣化しています」と伝えている。
弁護士ドットコムニュースも、紙幣の写真を入手したが、その表面が判別できないくらいになっているものもあった。
愛媛県は今後、日銀に鑑定と交換を依頼するということだ。そもそも、こんなに劣化していても、交換してもらえるのだろうか。日銀によると、汚れたり、破れたりした紙幣は、日銀の本支店で、新しいものと交換することができる。その基準は次のようなものだ。
(1)紙幣の面積が、3分の2以上残っている場合は、全額として引き換える
(2)紙幣の面積が、5分の2以上3分の2未満残っている場合は、半額として引き換える
(3)紙幣の面積が、5分の2未満しか残っていない場合は、失効する
また、水などで濡れた紙幣は「できる限り1枚ずつの状態で乾燥し、できる限り付着物を取り除いてください」としている。
愛媛県は、寄付金の活用法として、2018年7月の西日本豪雨の復興などを例示しているが、それも紙幣がいくらに交換できるのかによって、使いみちが変わってくるという。
(弁護士ドットコムニュース)