マクラーレンF1チームのスポーティングディレクターを務めるジル・ド・フェランは、2019年型マシン『MCL34』はチーム全体が協働して取り組んだ成果であり、新たなシーズンに向けてスタッフも皆興奮していると語った。
期待はずれだった2018年シーズン前半戦の結果を受けて、マクラーレンは昨夏以降一連の改革を進めてきた。
作業全体をあらためて見直すなかで、チームは2019年型マシンについては謙虚さと決断力の両方を意識しながら開発プロセスを進めてきた。ド・フェランによれば、その過程でマクラーレンに本来備わるべき活力も戻ってきたのだという。
「チームの雰囲気は非常に良い。興奮と期待感に満ちている」と、ド・フェランは14日に行なわれた新車発表会で述べた。
「自分が新しくチームに加わり、現場で作業に取り組んでいた6カ月前のことを思い返してみると、今こうして美しく輝くマシンを目の前にして感無量だ」
「これはひとつの芸術作品だ。マクラーレンが持つ熟練技術とエンジニアリングの能力が、余すところなくこのマシンで表現されている」
グリッド上でのポジションを上げるという課題に、チームは誠実に取り組んできたとド・フェランは強調した。そしてそれは、マクラーレンのスタッフ全員が協働して努力するというかたちで実現できたのだという。
「我々の問題への取り組み方は、すべての問題点や課題を認識することと、それを継続していくことだ。常に目の前の仕事に集中することで可能になる。我々は2019年シーズンの準備に集中してきた。そしてその準備はできたと思う」
「いつまでに何を成し遂げるべきかというスケジュールを作って作業を進めた。このスケジュールでは、数年先までをも見据えている」
「重要なことは、より良く協働して開発プログラム上の課題すべてを解決するために、我々がチームとしてひとつにまとまる努力をしたということだ。実際に解決すべき課題はたくさんあった。今は新しいマシンがコースに出て走るのを早く見たくて興奮している。期待感でいっぱいだ」
「謙虚に臨むこと、目の前の仕事に集中することが大切だ。そうすれば物事は自然に回るようになる」
マクラーレンの本拠地ウォーキングには、チーム復活への予感や楽観的な気分が広がる。一方でフェルナンド・アロンソの後任となった経験抱負なドライバー、カルロス・サインツJr.は、少なくとも当面の間は具体的な目標をあえて置かないことで、自制していくと語る。
「今の時点でゴールを設定するのは大きな間違いだ。僕たちは現在の目標を、きちんと準備を整えるというところに置いたんだ」
「この考え方が正しいといいね。皆すごく努力を重ねてきたし、とても興奮している。これからテストが始まるから、そこでマシンがどの程度のところにいるのかも確かめることができる」
「シーズン開幕に向けて、僕自身の準備はできているよ。マシンの準備も整った。必要なら今日にでもテストできるくらいで、つまり準備が順調に進んできたということだ。これからはシーズンを通して改善を続けていくことが重要になる」