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2019年F1技術レギュレーション解説(2)空力&オイル燃焼規則が強化。“パーティーモード”は影をひそめるか

2019年02月15日 14:01  AUTOSPORT web

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フェルスタッペンが2019年レッドブルRB15・ホンダをシェイクダウン
2019年シーズンに向けて、F1の空力レギュレーションにはいくつかの変更が加えられた。今回は空力パーツやマシン総重量の増加、オイル燃焼に関する規定などについてお届け。

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2)バージボード
 左右のバージボードには、高さ制限が加えられた。その結果、全高は12.5cm下がり、形状も複雑な曲面は禁止された。

 目的はフロントウィング同様、マシン背後への乱流をできるだけ少なくすることにある。それと同時に、フロントカウルのスポンサーロゴの視認性向上も狙っているようだ。


3)リアビューミラー
 2018年シーズン、フェラーリが導入したリアビューミラーが物議を醸したために、改定された規約では空力的な役割付加に厳しい制限が課されることになった。

 寸法と形状が細かく規定され、ミラーの取り付けポイントも最大2ヶ所となった一方で、去年のフェラーリやトロロッソが採用したミラー背面から空気を通す手法は、禁止されなかった。



4)車体とドライバーの重量
 昨年までマシン総重量は、733kgだった。それが今季は、ヘルメットを含めたドライバー、バケットシート別に測定され、最低80kgはなくてはならないことになった。

 そのため80kgに満たない場合、サバイバルセルにバラストを搭載することになる。その結果、体重が重くダイエットを強いられたドライバーの不利が、ほぼなくなることになった。

 今季のマシン総重量は昨年より10kg増えた743kgで、内訳はドライバー、バケットシートが80kg、燃料を含まない車体重量が663kgとなる。

5)燃料とオイル
 最低重量も105kgから110kgに増やされた。マシン総重量が増えたことへの対応であると同時に、ガス欠を恐れて燃費走行になってしまうことを防ぐ措置でもある。ただし燃料の流量制限は昨年までと同じなので、一気にパワーが増えるわけではない。とはいえ燃費を気にしたリフト&コースト走行は、去年よりは減りそうである。

 ではこの措置で燃料タンクが大きくなったり、ホイールベースが伸びたりしたのかといえば、それはなさそうだ。モナコを始めとするいくつかのグランプリは満タンにしなくてもレースを走り切れるし、何より少しでも軽い車重でレースを戦うのが有利であることに変わりはないからだ。


 一方でオイルを燃焼することでさらにパワーを上げようという、レギュレーションの裏を突くやり方には、すでに去年の段階で厳しい規制がかかった。2019年はそれをさらに一歩進めて、予選時にはサブオイルタンクを空の状態にすることが定められた。「オイル量は0.6リットル」という昨年決まった規定はあくまでレース時のものであり、予選では実質的に野放しだったからだ。FIA(国際自動車連盟)は今回の新規定によって、ライバルを圧する予選モードは影を潜めるのではないかと期待している。

(その3に続く)