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WRCスウェーデン:トヨタ、競技初日は堅実な走り出し。週末は「雪と氷の融解が大きな問題に」

2019年02月15日 12:01  AUTOSPORT web

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ラリー・スウェーデンの競技初日、トヨタ陣営のトップにつけたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
2月14日に開幕したWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデン。この大会にワークスチームとして3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入するTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナクが総合4番手につける好発進をみせた。

 北欧スウェーデンとノルウェーを舞台に行われるラリー・スウェーデンは雪深いなかで争われるシリーズ唯一のフルスノーイベントだ。

 大会初日の14日(木)は、サービスパークが置かれるトルスビー近郊に設けられた6.86kmのステージでシェイクダウンが行われ、各ドライバーがマシンの最終チェックを行った。

 トヨタ勢は、このシェイクダウン1回目の走行でトップ3を独占するなどパフォーマンスを発揮。最終的にはタナクが2番手、クリス・ミークが4番手、ヤリ-マティ・ラトバラが9番手でシェイクダウンを終えている。

 その後、一行はトルスビーから約100km南下してカールスタッドに移動。同日夜に特設ステージで行われるSS1に臨んだ。

 競馬場に設けられた1.9kmのSS1は2台が同時にステージを走るスーパースペシャルステージ。ここでタナクはアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)と同時に走行し、ミケルセンと0.8秒差、トップとは1.9秒差の総合4番手を確保した。

 残るラトバラ、ミークも氷に覆われたSS1を堅実な走りで走破。ラトバラがタナクと0.1秒差の総合5番手、ミークがトップと4.4秒差の総合10番手につけている。

 また、今大会では2度のWRC覇者であるマーカス・グロンホルムがプライベーターとして4台目のヤリスWRCをドライブ。SS1ではトップと4.1秒差の総合8番手につける好走をみせた。

 チームのテクニカル・ディレクターを務めるトム・フォウラーは「明日からの本格的なステージに向けて、とても良い準備ができた」と競技初日を総括する。

「今朝のシェイクダウンは順調で、我々のクルマは最初の走行でファステストタイムを3回更新した」

「その後、多くのクルマが走り路面コンディションは急激に悪化したが、最初の走行時がもっとも実際のSSに近い路面状態だったのではないかと思う。そして、その状態で良いパフォーマンスを発揮できたことに満足しているんだ」

「今週末は気温が高くなりそうだから、路面の雪と氷の融解が大きな問題となるだろう。我々は朝の1回目の走行時は出走順が比較的前方で、良いコンディションで走れるため自信を持っている」

「しかし、2回目のリピートステージではコンディションがかなり悪化すると予想されるから、タイヤをうまくマネージし、できるだけスタッドが抜けないように注意して走る必要がある」

■WRC最多出場数更新のラトバラ「少しプレッシャーを感じた」

 陣営最上位につけたタナクは「クルマの動きはとても良く、自信を持って走ることができているので、明日からの本格的な戦いに向けて準備は万端」とコメント。

 このラリー・スウェーデンでWRC史上最多、197回目の出走を果たしたラトバラは「少しプレッシャーを感じたが問題なく走り終え、今はもう明日からの本格的な戦いに集中している」と明かした。

「ステージには大きな雪壁があるから、きっと楽しんでドライブできるだろう。気温が高くなると路面の雪や氷が解けて下からグラベルが現れ、スタッドタイヤに大きなダメージを与えるから、あまり暖かくならないことを願っているよ」

 トヨタ加入2戦目のミークは「カールスタードの最初のステージは非常にトリッキーだから、ミスなくクリーンに走ることが目標だった。ステージに雪は少なく、正直なところあまり運転を楽しむことができなかったよ」と述べている。

 本格的な走行初日となる15日(金)は、トルスビーのサービスパークを中心にSS2~8の7SSで争われる。

 このうちSS2~3、5~6の4SSは隣国ノルウェーが舞台となるほか、SS4、7はスウェーデン領内でスタートし、途中ノルウェーに入国、ふたたびスウェーデンに戻ってフィニッシュを迎える2カ国をまたにかけたステージとなっている。

 全7SS合計の走行距離は137.41km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は541.05kmだ。