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【津川哲夫の2019私的新車チェック:レッドブル】ホンダPU次第では……と期待させるトータルエアロバランスに優れたマシン

2019年02月14日 20:51  AUTOSPORT web

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空力の鬼才、ニューウェイとホンダがついにコラボしたF1マシン、RB15。期待は高まるばかりだ。
ついに、期待のレッドブルRB15が登場。もちろん初のホンダPU(パワーユニット/エンジン)搭載車だ。

 RB15は初見で見ると、昨年に4勝を挙げて大きく成功したRB14を踏襲している。現実には他のチーム同様、前年度の正常進化型で、実を言えば見た目に大きな変更点は見当たらない。

 もちろん、新レギュレーションに準拠した前後のウイング関係やエアロガジェットが搭載されているが、全体のコンセプトはRB14のままだ。

 そのなかでも昨年と違うのは、ルノーよりもコンパクトなホンダへのパワーユニット/エンジン換装でパワーユニット周りの容積が減り、エンジンカバー類のさらなるタイト化が進んでいることだ。

 このリヤエンドのタイト化によって、リヤウイングへの空気流の確保が効果的に行われているはずだ。その大型化したリヤウイングも流石と言えるような出来映え。薄く角度も寝ていて、レッドブルエアロの上手さが光る。

 また、レッドブルのエアロコンセプトの中枢たるレーキフロアエアロはそのまま健在で、前傾したクラウチングスタイルはもはやレッドブルの代名詞のようなもの(個人的にだが!)。つまりは昨年4勝を挙げたRB14から引き継いで、トータルエアロバランスに優れたマシンであることがうかがえるわけだ。

 タイヤ乱流のサイドブロー(アウトワッシュ・サイドワッシュ)が規制された今年のレギュレーションだが、RB15はレーキ・フロアエアロへの影響は写真を見た限りでは大きな問題はなさそうだ。

 実際、幅広になったウイングでドラッグは確実に増えるものの、レッドブル陣営から大きなダウンフォースの喪失が語られたことはないので、エアロバランスへの影響はほとんどないのかもしれない。

 そうだとすると、RB15は昨年のパフォーマンスから確実にプラス要素を内包していることは間違いない。ということはホンダPUのパフォーマンス次第では……と過大な期待をすると痛い目にあうかもしれないので、期待は地味にしておきたいと思う。