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メルセデスF1、弱点克服に取り組み、新車『W10』をタイヤに優しいマシンに改善。10年目の節目でカラーリングも変更

2019年02月13日 20:41  AUTOSPORT web

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メルセデス2019年型マシン『F1 W10 EQ Power+』
メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツは、13日、イギリス・シルバーストンで2019年F1を戦うニューマシン『F1 W10 EQ Power+』のシェイクダウンを行い、マシンの画像をオンラインで公開した。

 午前中にバルテリ・ボッタスがステアリングを握り、午後にはルイス・ハミルトンが走行する。この日の走行は規則で定められたPR目的のフィルミングデーとしてのものであり、走行距離は100kmに制限されているが、そのなかで、チームはニューマシンのシステムチェックを行っている。

 テクニカルディレクターであるジェームズ・アリソンは、W10の開発作業の中心となったのは2019年に導入された新空力レギュレーションへの適応であると述べている。

「レギュレーション変更はチャンスにもなり、リスクにもなる」とアリソン。

「これまで速さを発揮するために必要であると思われていた仮定は消え去るので、それがチャンスになり得る。うまく対処すればライバルたちより優れたパフォーマンスを発揮できる可能性があるのだ。一方で、賢く対処できず、新レギュレーションをうまく活用する方法を見いだせなかった場合、そのシーズンを通して苦しむことになるだろう。とはいえ、不安と同時に、何かを見つけ出すというスリルもある」

 一方で、チームは2018年型W09の弱点に対処し、長所をさらに伸ばすための努力をしたという。
「W09のハンドリングはその前の仕様W08と比べて大きく進歩した」とアリソンは語る。

「それでもリヤタイヤのパフォーマンスを保つという面においては、ライバルたちほど優れてはいなかった。そのため、タイヤに優しいマシンを作るため、サスペンションと空力特性においてハードワークにあたった。これによって、カレンダーのすべてのサーキットで、レースのどの段階においても競争力を発揮できることを願っている」

 最低重量の10kg引き上げという規則変更にも対応した上で、W10の全体的な構造およびホイールベースは2018年型から変わっていないということだ。

■新型パワーユニットではさらなるパフォーマンスと信頼性向上を狙う

 一方、パワーユニット(PU/エンジン)規則に大きな変更がない2019年、メルセデスはパフォーマンスと信頼性を向上させることを目指し、前年型を進化させる形で新しいパワーユニットを開発したという。

「パワーユニットの冷却面の構造を変更したことが、マシンの空力上のメリットとパワーユニットの効率性向上につながることを期待している」とメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージングディレクター、アンディ・コーウェルは言う。

「つまり、シャシーとパワーユニットの両面でプラスになるということだ」

「燃焼効率とERSシステムを改善、システム全体がより効率的に機能し、レースを通して優れたエネルギーデプロイメントを実現する力を持っていると思う」

 2019年はメルセデスが現代F1にワークスチームとして参戦してから10年目のシーズンとなる。この節目の年を戦うW10には例年とは異なるカラーリングが施され、シルバーの部分にメルセデスのマークであるスリーポインテッドスターを多数ちりばめたデザインが採用されている。