ルノーF1チームは、2008年のフェルナンド・アロンソによる勝利以来、F1で優勝を成し遂げていない。一方、レッドブル・レーシングは2009年から2018年の間に59勝を挙げてきた。そのうち7回の勝利を獲得したダニエル・リカルドがルノーに移籍したのは正しい動きなのかと疑問を持つ者も多いが、リカルド本人は自分の選択に自信を持っている。
12日、ルノーは2019年F1体制発表会を開催、リカルドは正式にレースドライバーとして登場した。
ルノーへの移籍についてリカルドは「賭けの要素は多少はある」と認めた。
「でも、僕としては考えれば考えるほど、さほど大きなギャンブルだとは思えなくなった。今この段階で、ルノーは必ず勝てると言っているわけではない。つまり現段階では期待もハードルもそれほど高くないんだ」
「一方でレッドブルはすでに確立されたチームだ。僕が加入した時にはすでに4回F1世界タイトルを獲得していた。毎年、優勝を期待できるけれど、一方で、毎年、失望する可能性もある」
リカルドは、レッドブルに残留したとしてもリスクはあったと主張する。レッドブルは2019年にパワーユニットをルノーからホンダに変更することを決めた。
「残留した場合のリスクは、突然うまくいかなくなることだった。ルノーに移籍して優勝できない恐れはあるけれど、もし(レッドブルが)失敗した場合は、そのリスクの方が大きいかもしれない」とリカルドは言う。
「どちらのチームにもそれぞれリスクはある。でもリスクがあるからこそ、見返りがあるんだ」
「ルノーが今後果たす成長は、レッドブルの成長よりもはるかに大きなものになるかもしれない。そうなれば、このチームでの方がより大きな恩恵を受けられる可能性があるんだ」
リカルドは、新車R.S.19のテストを楽しみにしている。
「新しいレーシングカーに乗り、新シーズンをスタートするのはわくわくする瞬間だ。2019年は僕にとっては特にいつもとは違うシーズンになる。全く新しいチームに加わって、初めてのマシンに乗ることになるんだ。学ぶことがたくさんあるよ。新しいステアリングの機能を理解しなければならないし、新しいメカニックたちと働き、初めてのシートに座り、新しいエンジニアと話をする。でもそういうプロセスすべてにわくわくするんだ」
「R.S.19がグリッド上最速のマシンならもちろんうれしいね。でも当面は、エンジンが2018年よりも進歩していることを確認したい。そうすればチームのモチベーションもさらに高まるはずだ」
リカルドは、自分の加入がルノーのメンバーの士気を高める助けになることを願っている。
「僕の仕事は、コース上でできるだけ速く走ることだ。チームにエネルギーをもたらしたい。メンバー全員の活力を高めたいんだ。それも自分の仕事だと思っているし、僕のキャラクターが助けになると思う。チームのやる気をさらに高め、団結させて、今まで以上にハードワークに取り組みたいという気持ちを持ってもらうことを目指したい。ポジティブなエネルギーをもたらすことができればうれしいね」