声優という仕事は今や人気職の一つに挙げられるようになった。ソニー生命の調査(2017年)によると、女子中学生がなりたい職業で「歌手・俳優・声優などの芸能人」が1位だった。
ただ、人気職になったがゆえに、これまで以上に競争が激化し、声優になっても挫折する人が非常に多いという。2月8日の『有吉ジャポン』(TBS系)では、人気声優の竹達彩奈さんが声優界の実情を語った。(文:石川祐介)
タレントが映画で声優やるのには「賛成」
アメリカのアニメ映画『テッド』で吹き替えをした経験のある有吉弘行さんは「なんにもレッスンしたことがない人が、声優みたいな仕事してるとやっぱりイラッと来る?」と質問する。
「私も声優だけど、歌をやったりバラエティ番組とか出させていただいているので、自分の仕事を土台にして派生していくお仕事は、大事にしていかないといけないと思うので賛成です」
歌にダンスにテレビ番組と声優の活動の幅は増えているが、本職である声優という仕事が地に足ついているのであれば、問題ないと回答した。
ちなみに、人気男性声優の間島淳司さんは過去に
「そんなつもりでこの仕事目指したわけじゃなかったというのに… もう『声優』って言い方やめて『マルチタレント』でいいんじゃないかって思うときあるよねw」
とツイートしており、声優ごとに仕事のあり方には様々なこだわりがあるようだ。
新人声優のギャラはどれだけ人気があっても一律
また、「デビューから3年間の新人声優は主役でも脇役でも、30分番組のギャラは一律1万5000円」という"声優界の噂"について竹達さんは、
「本当です。最初は各制作会社さんやいろんな方に名前を覚えてもらって、お試しで使ってもらうっていう形なんですよね」
と語った。
実力や実績、配役などに関係なく新人声優であるうちは、ギャラは一律だという。声優界の厳しさを感じさせられるルールだが、3年を過ぎたらギャラが上がるため、実力や人気があっても「3年を過ぎた」という理由だけで起用されなくなるケースもあるのではないか、と勘ぐってしまう。
そして、有吉さんは、エッチなアニメを収録する時の声優の演技について興味を示すと、竹達さんはデビュー作がキスシーンの多いお色気系なアニメだったと話す。
「初めてがそれだったので、どうして良いからわからなかった。マネージャーさんにご相談したところ、『キスシーンの音を出す時は手の甲にチューをして音を出すんだ』とかを教えてもらってやりました」
台詞回しだけでなく、声を使って様々な表現が求められるという。今後、多才な声優がテレビ番組に出演する機会も増えていきそうだ。