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ジカウィルス拡散を防止!合成遺伝子を注入した赤目の蚊を豪米研究チームが開発

2019年02月11日 21:01  Techable

Techable

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近年、ジカ熱という言葉を耳にすることが多くなった。

ジカ熱はジカウイルスによって引き起こされる感染症だ。2015年に中南米で流行し、2016年初頭にはWHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」 を宣言している。

このジカウィルスの拡散を防ぐべく、オーストラリアの国立科学機関CSIROとカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、抗ジカ合成遺伝子を注入した赤目の蚊をつくりだした。・感染源の1つ、ネッタイシマカジカウィルスの主な感染源と言われているのが、ネッタイシマカだ。

ネッタイシマカは通常、ジカウィルスに感染した人の血液を吸ったときにジカウイルスに感染し、次に噛まれた人が感染することが多い。・抗ジカ合成遺伝子を胎児に注入そこで、研究チームは抗ジカ合成遺伝子をネッタイシマカの胎児に注入した。さらに、正常な蚊と区別するために赤目遺伝子も一緒に胎児に注入している。

その結果、成虫になったネッタイシマカは抗ジカ合成遺伝子の働きで、人の血を吸ってもジカウイルスに感染しなかったことが確認された。・野生のネッタイシマカとの置換えも可能かこの蚊は将来、野生のネッタイシマカと置き換えて使用できる可能性があるという。

これにより、グローバル化や海外旅行の増加によって懸念されているジカウィルスの世界的拡散を防げるようになることが期待される。この研究のこれからに注目したい。

CSIRO