2月9日、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリー内のホールで日産自動車/ニスモは、2019年モータースポーツ活動計画発表会を行い、このなかで2019年にスーパーGT GT500クラスに参戦するドライバーラインアップを発表したが、この発表に続いて、2018年限りでスーパーGT GT500クラスを“引退”し、エグゼクティブアドバイザーに就任することになった本山哲に対するセレモニーが行われた。このときの本山の挨拶を全文掲載する。
冷たい雪が舞うなかで行われたニッサン/ニスモの体制発表会。多くのニッサンファンが席を埋めるなか、ニスモ片桐隆夫社長から1996年からのGT500の戦いに対する感謝の言葉が述べられた後、ステージの中央に立った本山は、前を見据えて話はじめた。以下が本山の挨拶の全文だ。
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こんにちは。
何から話していいのか非常に難しいのですが。
まずは本当に、長い間素晴らしい環境のもとで走らせていただいたニッサン、ニスモ、そしてこの会場や全国にいるファンの方々、そして僕が走ることに対して協力してくれるすべての人々に対して感謝を申し上げます。ありがとうございました。
(拍手)
実際ドライバーとして、まわりの方に好き勝手やわがままも言って、“ドライバーのするべきこと”だけに専念できる環境を作っていただき、好きに振る舞ってレースをさせていただいて、特にニッサンに入ってからはスーパーGTだけに関わらず、ル・マン24時間など、さまざまな挑戦を一緒にすることができましたし、ドライバーとして成長するにあたり、皆さんがバックアップしてくれたことに非常に感謝しております。
そして自分がこうしてドライバーになれたことは、自分の家族であり、両親の影響が大きくて、自分で言うのもなんですが、これだけ立派なレーシングドライバーに育ててくれた親には感謝してもしきれません。
そしてこれから、ドライバーとしてレースが好きで、レースで勝つということに関して人並み以上にこだわりを持ちすぎて、それが逆にモチベーションとなってレースを長く続けてきたわけですが、その気持ちが別になくなったわけではないので、なにか機会があれば、もちろんレースを続けていくつもりですし、今後もそういったところでは走って、“レースに勝つ”ことを続けていきたいと思います。
今年に関しては、片桐社長からご紹介があったとおり、ニッサンのGT500のエグゼクティブアドバイザーに肩書きとして就任させていただきました。GT500に関わらず、ニッサン全体のモータースポーツのレースの内容、そして結果が向上することに、さまざまな部分で少しでも貢献し、ファンの方々がニッサンの、ニッサン車のレースを観て、喜んでいただけるような、いい形を少しでも作っていければというポジションになりました。
もちろん優勝やチャンピオンという結果を残せればベストなのですが、いつもニッサンのレース活動を観て、応援してもらえるようなかたちにしていければと、頑張っていきたいと思います。
ドライバーとしては、やはり日本人の速いドライバー……もちろん外国人ドライバーもいいのですが、日本人で海外に通用するような力のあるドライバーが出てきてくれると、日本のレースファンの間で非常に盛り上がるのではないかと思うので、そういったところでも微力ながら応援して、発掘するのもそうですし、少しでもサポートしていければという気持ちでいます。
自分が経験させていただいて、蓄積されたものを、しっかりとニッサン全体のこれからのモータースポーツに貢献していきたいと思います。今年も一年間、そしてこれから先もいろいろな形で関わっていくとは思いますが、これからもたくさんのご支援、応援をよろしくお願いいたします。