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『3年A組』片寄涼太が語る、菅田将暉ら共演者と切磋琢磨する日々 「クルーとして誇りを感じてる」

2019年02月10日 12:11  リアルサウンド

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 現在放送中の日曜ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)。本作では、主演の菅田将暉が、教師・柊一颯を演じ、また、生徒役に永野芽郁、川栄李奈、上白石萌歌、萩原利久、神尾楓珠、富田望生など注目の若手俳優が揃う。柊が担当クラス3年A組の生徒を人質にとって立て篭り、毎話予想外の展開が起こるなど、放送スタート時から話題を呼んでいる。


参考:片寄涼太、萩原利久、鈴木仁、神尾楓珠……『3年A組』クラスメイト自殺の真相の鍵を握るのは誰?


 生徒役として、甲斐隼人を演じているのが片寄涼太だ。クラスのリーダー格である甲斐は、柊に対して反抗的な態度をとっているも、実はダンサーになるという夢を持ちながら、家族を守るためにその夢を諦めたという過去を持つ。片寄に、俳優として先輩である菅田将暉から学んだことや、甲斐というキャラクター、今後の展開について、語ってもらった。


■「隼は『もれなく泣いた』と言ってくれました(笑)」


――これまでの撮影を振り返って、いかがですか?


片寄涼太(以下、片寄):最初の頃は、出演者みんなが探り探りな雰囲気もありましたが、少しずつ馴染んできて、今はいいチームになってきています。いろんな方から「ドラマおもしろいね」とか「観たよ」という言葉をいただけるので、そういう作品に出させていただけて、ありがたいです。


――甲斐役への反響は?


片寄:4話で甲斐のエピソードがしっかり描かれていたので、放送後に「結構、いい子だったんだね」という言葉をもらえたのはおもしろかったです(笑)。


――GENERATIONS from EXILE TRIBEメンバーからの反響はどうでしょう。


片寄:(小森)隼は毎週Twitterでツイートしていますよね(笑)。3話は一緒にオンエアを観ましたが、どハマリしています。(中務)裕太くんから「毎回、迫力があって楽しいな」と声をかけてもらったり、メンバーはみんな「おもしろい」と言ってくれているけど、小森隼が一番うるさい(笑)。オンエア後にLINEしてきて、「お前が内通者か」とか「あいつが怪しい」とか。「俺に言ってどうする?」ということを送ってくるので、「来週もお付き合いください」と返信すると、「(内容を)いつも教えてくれないね」って(笑)。楽しみを取るわけにはいかないので逆に気を使っているつもりなんですけど、気になってしょうがないみたいです。


――4話オンエア後は?


片寄:隼は「もれなく泣いた」と言ってくれました(笑)。


――甲斐を演じる上で、意識していることはありますか。


片寄:1~3話では、家族とクラスメイトを“守る”ということをすごく意識しました。正義感というか、責任感がある人間なんだろうと感じながら、臨んでいましたね。


――4話以降、意識は変わりました?


片寄:一颯を見る目が変わったと思います。一歩踏み出すきっかけをくれた一颯先生を信頼してもいいのかなと、甲斐自身が思い始めた。クラスメイトに対しても、今までは弾き飛ばすことで自分の存在を感じてきたけれど、意見を聞いたり、甘えることもあるかもしれないし、少し変化があるのかなと思います。


――アクションシーンの撮影は、大変そうですね。


片寄:4話までは結構ぶつかり合うシーンがあったので、その都度どこかを痛めていました(笑)。プロテクターを入れるんですけど、「入れてないところを打ったりするんですよね~」とか冗談で話していると、本当にそうなっちゃうっていう(笑)。イスを窓にぶつけるとき、跳ね返ったイスが本番だけ当たってしまったり……多々経験させてもらいました(笑)。


――限られた空間での撮影ですが、今作ならではのおもしろさは?


片寄:イスの座り方って、色々あるんだなとか(笑)。考え始めると、いろんなバリエーションが出てくるっていう発見はありますね。寝るシーンでも、みんな寝方のバリエーションが増えてきて、さすがだなって思います(笑)。


■「菅田さんからは『目を見て向かって来てくれ』と言われました」


――撮影の合間の空気感についても聞かせてください。


片寄:セットを出ると、みんな和気藹々としています。お芝居の話をしている子たちも多いですね。あとは、差し入れがすごく多くて、僕と(若林)時英くんは、よく差し入れ話で盛り上がっています。人気があるのは、甘いものですかね。でもこの間、今田美桜ちゃんが手羽先を差し入れしてくれて、時英くんと「手羽先やばいね~」って話しました(笑)。


――現場で流行っていることはありますか?


片寄:どうでしょう……。僕、結構歳が離れているんですよね。僕と川栄(李奈)さんと高尾(悠希)くんの3人が24歳(の学年)。19歳や20歳のメンバーもすごく多いので、そこの流行りはあるかもしれないですけど(笑)。


――共演者との会話で、印象的だったことは?


片寄:5話で瀬尾くん(望月歩)とぶつかり合うことになったので、信頼関係をうまく築くために、前日と撮影後に言葉はかけました。あとは石倉(佐久本宝)と須永(古川毅)とは一緒にご飯に行ったことがあって、その時は“甲斐軍団”の立ち位置とか、バランスについて話しましたね。


――菅田将暉さんとはいかがですか?


片寄:お芝居の話はあまりしないんですけど、4話の前にミットを持って楽屋に来てくださって、「ちょっと実際に殴ってみないか」と。ご自身もボクサーの役をやられていた経験もあったので、そういった話を教えてもらったりしました。


――実際の撮影はいかがでしたか?


片寄:とにかく菅田さんがおっしゃっていたのは、「目を見て向かって来てくれ」ということ。「それが一番息を合わせるポイントになるから」とお話されていたので、そこは意識して、菅田さんを信頼して臨みました。


――菅田さんから、俳優として学ぶことは?


片寄:生徒たちのセリフに対しての反応が、本当にその人その人で瞬間的に反応しているというか、決して自分が「こうだ」と決めたかたちでは来ないんです。柔軟に反応されているのは、見ていて衝撃的でした。


――『兄に愛されすぎて困ってます』など、これまでに出演してきた胸キュン作品と本作で、役に対する向き合い方の違いはありますか?


片寄:カメラ目線が少ないなと思っています(笑)。でも、役という意味での向き合い方は、大きくは変わっていないです。まだそれほどたくさんの役をやらせていただいているわけではないので、これが正しいと思っているわけではないですが、精一杯自分のできるやり方で向き合おうというスタンスは、変わっていないと思います。


――たくさんの生徒が登場しますが、ご自身に一番近い役柄は?


片寄:逢沢(萩原利久)ですかね……内通者でしたけど(笑)。先生との距離感という意味でも、共感できるところがあるかなと感じます。


■「6話も笑顔は多いと思います」


――エンディングのスナップショットも印象的です。どんな風に撮影を?


片寄:こういう画を撮りたいというシチュエーションが決まっていて、なんとなくそこで生まれた写真が使われています。僕は“帰り際”みたいなスナップがあったんですけど、それはみんなが見ている中での撮影だったので恥ずかしかったです(笑)。


―― “朝礼体操”も流行っていますね。


片寄:僕が作ったわけではないですけど(笑)、こんなに流行ってびっくりしています。自分はGENERATIONSでは歌う方なので、絶対メンバーにいじられるだろうなと思っていたら、案の定めちゃくちゃいじられました。「めっちゃ、ちゃんと踊ってんじゃん」って言うから、「うるさいわ」と(笑)。


――甲斐は踊れる役ですもんね。


片寄:そうなんですよ。だから僕は「ダンスがやれる役なんだ」と、しきりに話しています(笑)。最初に見たときは難しいんじゃないかなと思ったんですけど、生徒のみなさんもバッチリ踊られるので、世代かなぁって(笑)。


――ファンに踊り方のコツを伝授するなら?


片寄:ひとつずつゆっくり分解して踊るといいと思います。日本人にとっても苦手な“裏取り”がダンスには必須なので、裏拍を感じることがポイントです。


――ドラマの今後の見どころについて教えてください。


片寄:僕らもわからない中で進んでいっているので、正直、今日も撮影しながら「どうなっちゃうんだろうな」って話していて(笑)。どこに向かっているのかがわからないので、僕らもオンエアを見て整理するというか……。台本には自分たちは知らなくてもいい情報もあるので、その部分を見ずにやろうとすると結構難しいんです。でも、そこがうまく一話一話のカギとなって進んでいくところが、ミステリーとしての見どころです。


 一颯先生が話す言葉の中にはメッセージがあって、僕たちもその船に乗せてもらっているクルーとして誇りを感じていますし、少しでもメッセージを伝える役目を果たせるように、いい空気を作って、みんなでがんばっていけたらと思っています。ここから後半戦に入って、一致団結しようとするかもしれないし、やっぱり離れたいという奴が出てくるかもしれない。その微妙なバランスの中で、一颯先生がどう生徒たちを導いていくのかも、見どころだと思います。


――シリアスな作品でもあり笑顔の少ない物語ですが、最後はどうなるのでしょう?


片寄:あのエンディングがしっくりくる作品になるのではないでしょうか。そういう意図で作られているんじゃないかなと。でも、6話も笑顔は多いと思います。世間(と生徒たち)とのギャップみたいなものが一種のテーマにもなっているので、意外な始まり方をすると思いますよ!(取材・文・撮影=nakamura omame)