2019年のニッサン/ニスモGT500ドライバーラインアップ 日産自動車/ニスモは2月9日、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリー内のホールで2019年モータースポーツ活動計画発表会を行い、このなかで2019年にスーパーGT GT500クラスにニッサンGT-RニスモGT500で参戦する4チームの体制を発表した。今季は3チームで4人のドライバーの顔ぶれが変わる大幅な変化となった。
2014年のクラス1規定導入後、圧倒的な強さを誇ったニッサンGT-RニスモGT500だが、2017年の規定改定後は、17年こそMOTUL AUTECH GT-Rがタイトル争いに絡んだものの、18年は最終戦を待たずしてタイトルの権利を失うなど、苦しい戦いを強いられていた。
逆襲を期する2019年に向けて、ニッサン陣営は大きな改革の年を迎えることになった。その中心と言えるのが、ドライバーラインアップの強化と見直しだ。使用タイヤは4台とも変わらないが、なんと4台中、3台が体制を変えることになった。
エースナンバーを背負うニスモの23号車MOTUL AUTECH GT-Rこそ松田次生とロニー・クインタレッリのコンビは変わらないものの、まず3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、2017年までレクサスLC500をドライブしていた二度のチャンピオン、平手晃平が加入した。
そしてパートナーには、ポルシェのファクトリードライバーを務めてきたフランス人ドライバー、フレデリック・マコウィッキが加わった。マコウィッキはフランス人ドライバーで、3号車が使用するミシュランの信頼も非常に厚く、2013~14年にはホンダから参戦しGT500で2勝を飾っているが、5年ぶりにスーパーGTに復帰を果たすことになった。
一方平手と同様、これまでレクサスをドライブしてきたジェームス・ロシターがニッサン陣営に加わり、佐々木大樹のパートナーとしてTEAM IMPULの12号車カルソニックIMPUL GT-Rをドライブすることになった。ロシターはブリヂストンの経験も豊富で、かつWEC世界耐久選手権ではニッサンエンジンを積むバイコレスをドライブした経験もある。
そしてヨコハマを履くKONDO RACINGの24号車は、高星明誠のパートナーとして昨年までTEAM IMPULに在籍していたヤン・マーデンボローが起用されることになった。ふたりはフォーミュラEでのテストドライバーのコンビで、マーデンボローはGT500では初のヨコハマを履く。
大幅なラインアップ刷新となったニッサン陣営だが、首脳陣も体制変更が行われた。総監督はニスモ最高執行責任者の松村基宏氏に交代。また、2018年までドライブした本山哲はエグゼクティブアドバイザーとして総監督を助ける立場になったことがアナウンスされたほか、昨年まで総監督だった田中利和氏はNDDP RACING with B-MAXの監督に。長谷見昌弘氏は名誉顧問となった。千代勝正はインターコンチネンタルGTチャレンジへ挑戦する。
ラインアップの他にも、ニッサンGT-RニスモGT500は2019年に向けて空力性能バランスの改良、重配の見直し、エンジンの出力向上とパワーカーブの最適化が行われ、ポテンシャルアップを目指す。
片桐隆夫ニスモ社長は、「今年ニッサン/ニスモはフォーミュラEとスーパーGTというふたつの柱で、ファンの皆さまとモータースポーツの楽しさや喜びを共有していきたいと思っています」と語った。
「スーパーGTは昨シーズンの雪辱を果たし、ふたたび頂点を勝ち取るために新総監督のもと4チームが一丸となってファンの皆さんの期待に応え、GT-Rの50周年にふさわしい力強いレースをお見せしたいと思います」
■ニッサン/ニスモ 2019年スーパーGT500クラス参戦体制
NoチームDirectorDriverCar NameTyre3NDDP RACING with B-MAX田中利和平手晃平/フレデリック・マコウィッキCRAFTSPORTS MOTUL GT-RMI12TEAM IMPUL星野一義佐々木大樹/ジェームス・ロシターカルソニック IMPUL GT-RBS23NISMO鈴木 豊松田次生/ロニー・クインタレッリMOTUL AUTECH GT-RMI24KONDO RACING近藤真彦高星明誠/ヤン・マーデンボローTBAYH