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ゆるい日常が魅力? 人気急上昇のYouTubeチャンネル「はじめしゃちょーの畑」を徹底解説

2019年02月09日 12:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 トップYouTuberとして絶大な人気を誇っている、はじめしゃちょー。これまで通りYouTuberとして活動する傍ら、映画『THE FAKE SHOW』の主演を務めるなど活動の幅を広げている。そんなはじめしゃちょーが昨年3月に「はじめしゃちょーの畑」というグループでの活動を行うチャンネルを開設。はじめしゃちょーの新たな側面が見られるチャンネルとして、個人チャンネルとはまた違った楽しみ方を提供しており、昨年の急上昇人気チャンネルとして話題を呼んでいる。本稿では、はじめしゃちょーのYouTuberとしての歩みを振り返るとともに、個人チャンネルと「はじめしゃちょーの畑」の違い、そしてその魅力について解説する。


(参考:YouTuber特番『動画投稿で生きていく』でヒカキン、はじめしゃちょーらが語った「視聴者に近い存在であること」


 2012年に「はじめカンパニー」としてYouTubeに動画投稿を始め、その後はじめ社長改め現在の「はじめしゃちょー」として個人チャンネルを開設。現在、チャンネル登録者はメインチャンネルである「はじめしゃちょー(hajime)」が751万人と、はじめしゃちょーが所属する事務所UUUMの先輩であり、YouTuberの代名詞であるHIKAKINの登録者を上回っている。映画『THE FAKE SHOW』の主演を務めており、今後のYouTube外での活動にも期待が高まっている状況だ。


 「好きなことで、生きていく」を体現するかのように数々の興味深い企画動画を投稿し、時にはやりたいことをありのまま行なった結果、炎上を経験しながらも、その軸はブレることなく活動してきた。はじめしゃちょーの名を世間に知らしめることとなったメントスコーラやスライム風呂などはその代表的な企画と言えるだろう。


 誰もがやってみたいと心の中では思っても、実行に移すにはハードルが高いことを、はじめしゃちょーはYouTubeを通して体現している。また、視聴者を飽きさせない編集技術(カット割りが巧み)も魅力のひとつだ。メインチャンネルに関していえば、どれも無駄がなく視聴者目線で見やすさにもこだわっている。


 対して「はじめしゃちょーの畑」は、フィッシャーズや東海オンエアなどグループYouTuberの活躍が目立つ中、個人で活動してきたはじめしゃちょーの新たな試みとして開設された。メインチャンネルのようなガッツリとした企画ものではなく、グループの日常をビデオブログのような感覚で気軽に楽しむことができるので、ゆるい動画が好きな視聴者も楽しめるようになっている。


 開設からまだ一年も経っていないが、すでに130万人の登録者を抱える人気チャンネルになっている「畑」。メインチャンネルとの違いは、複数のメンバーが入れ替わりで登場(メンバーは固定しないと宣言している)し、グループならではのわちゃわちゃ感溢れる日常を映し出したチャンネルであるということだ。普段のはじめしゃちょーとは違う一面を覗くことができるのも、グループだからこその楽しみである。


 2018年5月、はじめしゃちょーはメインチャンネルにて、新チャンネルを作ったことを報告。動画内では「メンバーの面白さを知ってほしい」との思いから、新チャネルのテーマが「はじめしゃちょーが主役ではない(チャンネル)」ということも発表された。


 そんな、「はじめしゃちょーの畑」に出演している主なメンバーは、はじめしゃちょー、だいちぃ、たなっち、やふへゐ先生の4人(他にもトマトクン、けんすけなど出演メンバーがいる)。メンバーは、はじめしゃちょーの大学の友達や後輩、メンバーオーディションによって集められた。はじめしゃちょーありきの動画ではなく、メンバーひとりひとりにスポットライトが当たるチャンネルであることも良い。


 メンバーも個性的な面々が揃っており、しっかり者だが時折見せる“サイコ”な一面が印象的なだいちぃや、動画内でもハゲをネタにされることも多いいわゆる、いじられキャラのたなっち、オーディションによって選抜された素人枠でありながら、YouTuberとして頭角を現わしつつあるやふへゐ先生と役者に事欠かない。はじめしゃちょーと他メンバーという関係性から回を重ねるごとにグループYouTuberとしてのまとまりが生まれ、より彼らの個性が際立つようにもなってきた。


 前述のように「はじめしゃちょーの畑」の動画の特徴はとにかく“ゆるい”。YouTuberお決まりとも言える始まりの挨拶みたいなものは特になく、「畑」というコールがゆるーく鳴り響く。また、動画一本につき、複数の企画で構成されていることが多い。


 例えば、「家にゴキブリが出たので食べます。」という衝撃的なタイトルの動画は、動画はタイトルとは全く関係ない50メートル走企画から始まり、視聴者からのコメントから議題を設定し議論する企画、そして家の中に出現したゴキブリを食べるという企画の3本で構成されている。そのため動画を丸ごと見なくとも断片的に楽しむことができるようになっている。このありそうでなかったこのYouTubeにおけるアンソロジーこそ、「はじめしゃちょー」の畑最大の特徴かつ魅力でもある。


 はじめしゃちょーが新たな試みとして昨年開設したチャンネル「はじめしゃちょーの畑」。メンバーの固定はないとはじめしゃちょー本人も語っているように今後新メンバーの加入も予測され、より賑やかなチャンネルになっていきそうだ。


(川崎龍也)