中国人ドライバーのマ・キンファがチーム・ミュルザンヌへ加入し、2台目のアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCRのステアリングを握ることが決定。2019年のWTCR世界ツーリングカー・カップのグリッドに並ぶこととなった。
F1のテストドライバー経験を持つ現在31歳のマ・キンファは、WTCC世界ツーリングカー選手権時代にもレギュラードライバーとして2シーズンを戦い、2018年のWTCRでもホンダ・シビック・タイプR TCRで2戦にエントリーした。
WTCRでロメオ・フェラーリ製のアルファロメオ・ジュリエッタTCRを走らせるチーム・ミュルザンヌは、2019年に入ってから引き続き2台体制での参戦を発表。1月末にはエースカーのドライバーに、昨季後半からチームに加入しアルファロメオ唯一の勝利を挙げたケビン・チェコンの残留をアナウンスしていた。
「僕のチーム・ミュルザンヌ加入発表に際し、彼らが中国の新年にあたる春節期間に合わせてくれたことを心から光栄に思う。この日はすべての中国人にとってとても重要な意味を持っているんだ。中国のファンがこの発表を喜んでいてくれると確信しているよ」と喜びを語ったマ・キンファ。
「僕は昨シーズン、このロメオ・フェラーリ製のマシンをドライブした経験を持っている。このジュリエッタTCRは最初からとても良いフィーリングをもたらしてくれたんだ。このクルマは大きな可能性を秘めているし、チームは冬の間にEVOモデル投入に向け懸命な努力を続けてきた。FIA WTCRにもコンペティティブな状態で挑めると思っている」
ロメオ・フェラーリのオペレーティング・マネージャーであるミケーラ・セルッティも、マ・キンファの加入を歓迎するコメントを続けた。
「中国のニューイヤーに合わせて、ついにチーム・ミュルザンヌの最後のドライバーを発表できてとてもうれしく思っている」と、元TCRドライバーのセルッティ。
「この決定には特別な意味が込められている。昨年末にイタリアで開催したプライベートテストでも良い働きを見せてくれたし、2019年WTCRシーズンに向け、彼にとってだけでなくチーム全体が良いスタートを切れるよう願っている」
同時にセルッティは、マ・キンファのキャリアを引用しつつ、F1を筆頭に各シングルシーターの経験のみならず、ツーリングカーやラリークロスでも世界戦に挑戦した経歴がマシン開発の大いなる力になることを期待している、と語った。
「もちろん、彼のここまでのキャリアはよく知っている。昨年はWTCRへのスポット参戦やTCRチャイナでの活躍を通じて、彼のスピードと才能をトラック上で直接目にする機会もあった。テストやレースを通じて彼のポテンシャルを確信しているし、それをアルファロメオ・ジュリエッタTCRでぜひとも発揮して欲しいと願っている。その経験が我々のマシン開発を加速させることを期待している」