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あっと驚く料理を発信し続けるYouTuber「妄想グルメ」とは? 家族で運営されるチャンネルの魅力

2019年02月07日 09:21  リアルサウンド

リアルサウンド

 数々のオリジナリティあふれる料理動画を投稿し、国内外問わず人気を博しているYouTuber「妄想グルメ」(チャンネル名:MosoGourmet 妄想グルメ)。YouTubeに料理を中心に据えたチャンネルは少なくないが、妄想グルメのチャンネル登録者数は約270万人、そしてこれまでに投稿された全動画の総再生回数は13億回を超えており、同ジャンルにおいて異例の人気を博している。本稿では、その魅力をお伝えしたい。


(参考:菅田将暉や嵐・二宮和也&大野智も大ハマり きまぐれクック、トミックなど魚を捌くYouTuberはなぜ人気?


 そもそも妄想グルメとは、父(伊藤元亮)・母(伊藤里惠子)・長男・次男・長女の家族ぐるみで活動しているチャンネルであり、父親曰く、料理チャンネルというより日常動画をメインにしたチャンネルだという。2009年3月よりYouTubeに動画投稿を開始し、これまでにテレビ番組『クローズアップ現代』(NHK)や『世界1億回!!再生動画 ベスト354ぜんぶ見る』(テレビ東京)に取り上げられるなど、注目を集めてきた。さらに、これまで『YouTubeは僕たち家族の日常をお金に換えてくれました 「動画投稿」という生き方・働き方』や『あっ! 妄想グルメだ! なにコレ!?と見て食べて驚くレシピ』などの書籍も上梓しており、動画メディアだけにとどまらない活動をしている。


 前述のように妄想グルメは家族というチームで運営されており、父親は動画編集、母親は料理、子どもたちは今若い世代で流行している情報の提供と、それぞれの特性を生かしてチャンネル運営にかかわっている。YouTube世代と言える子どもたちからの意見を取り入れ、常に内容をアップデートしてきたからこそ、10年という長い期間、続けることができたのだろう。詳しくは動画制作に迫る動画「YouTubeドキュメンタリー 妄想グルメ」を見ていただきたい。


 さて、妄想グルメの特徴として上げられるのは、他の料理動画と異なり、可愛いらしいキャラクターやカラフルな料理などビジュアル面を意識したサムネイルや動画になっていて、見ても楽しめる遊び心が詰まった動画であるということだ。


 妄想グルメの代表的な動画「Trick Recipes: Ice Cream Cupcakes なんちゃってアイスクリーム レモンアイス チョコミントアイス」は、美味しそうなアイスクリームに見せかけて、「なんちゃって」と前置きがあるようにアイスではなくバタークリームが材料として使われている。見た目にはアイスのような質感で、冷たさまで感じられるほどだ。投稿されたのは2013年だが、以後着々と再生回数を伸ばし続け現在では、なんと2.3億回を記録。この「なんちゃってシリーズ」には、他にも「なんちゃって寿司」や「なんちゃってチョコレート」などがあり、妄想グルメの代表作として高い人気を誇っている。海外からのファンも多く、様々な言語で驚きのコメントが寄せられている。


 また、妄想グルメの魅力はビジュアルが優れているということだけではなく、実際に作って真似しやすい点も魅力だ。コメント欄では「子供に作ってあげました」というコメントも多く、一見難しそうに見えても普通の家庭でも実践できる手軽さを持ち合わせている。いくら面白いレシピでも、作り方が複雑だと躊躇してしまいそうだが、概要欄でも英語と日本語で詳細が記されているため、材料さえ揃えれば、誰でも作ることができるのだ。


 「YouTuber」という言葉には、まだ前向きとは言えないイメージを持つ人も少なくないが、妄想グルメのように国境を越えて楽しむことができ、同時に家族の温もりを感じられるチャンネルがあるということを、ぜひ知っていただきたい。今後も家族一体となり、動画を通してワクワクを届けてくれるに違いない。


(川崎龍也)