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WRC:第2戦舞台のスウェーデン、厳寒で降雪充分。「“真冬のワンダーランド”と表現できる環境」

2019年02月06日 18:11  AUTOSPORT web

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2018年2月に行われたラリー・スウェーデンの様子。充分な降雪が確認できる
2016年には暖冬により降雪量が少なく、王者セバスチャン・オジエから中止の提言も行われたラリー・スウェーデン。しかし、2019年は氷点下の厳しい寒さが続いており、2月14日に開幕が迫ったWRC世界ラリー選手権第2戦は“スウェーデンらしい”戦いが繰り広げられそうだ。

 北欧スウェーデンを舞台に行われるWRC第2戦は、シリーズ唯一のフルスノーイベント。雪が積もるイベントだが、凍結した地面をスパイク付きタイヤで走ることもあり、シリーズ屈指の高速バトルが繰り広げられる。

 しかし、地球温暖化の影響などもあり、近年は暖冬になることも多く、2016年には雪不足が深刻化。むき出しとなったグラベル(未舗装路)路面も寒さで固まっておらず、スパイク付きタイヤを使うことも難しいコンディションになっていた。

 ラリー・スウェーデンのグレン・オルソンCEOは、2019年は氷点下の寒さが続き、雪も降り続いているため、ラリー・スウェーデンらしい戦いが展開するだろうと話している。

「ラリーが行われるエリア全域で充分な降雪量が確認されている。(ラリー開催地域で)もっとも南に位置するカールスタッドでもだ」とWRC.comに語ったオルソンCEO。

「数カ月前までは雪が降る寒さになったかと思えば、暖かい日が続くなど不安定な気候だったが、クリスマスからは厳しい寒さが続いている。だから、雪の量は充分なんだが、もう少し路面が固まっていてほしいと思っている」

「今週末は少し暖かい気温になりそうで、これを待ち望んでいた。気温が上がれば雪が解けて水になり、それが凍ることで地面が固まる。結果として、スパイクが食い込むのに充分な強度の路面ができ上がるわけだ」

 また、カールスタッドの特設ステージなどでは、水をまいて人工的に路面が凍結する状況を作り出しているという。

「しっかりとした氷の基礎を作るために散水作業を続けている。カールスタッドや何度もラリーカーが走行するトルスビーでは入念にね。競技が行われるすべての道で水をまくことは不可能だが、この水撒きが地盤を固める助けになればと思っている」

「現状でも“真冬のワンダーランド”と表現できるコンディションが整っている。しかし、我々としては最高のコンディションでラリードライバーを迎えたいんだ」

 2017年にはトヨタがシリーズ復帰2戦目で優勝を遂げ、2018年はWRC2を戦った勝田貴元が日本人として初めて同クラス優勝を果たしたラリー・スウェーデン。2019年大会は2月14~17日の日程で行われる。