ルノーF1チームは、2019年シーズンより導入される新しい空力レギュレーションに対して疑いの念を持っており、現時点ではデータ上でも大きな変化は見られないと明かした。
コース上でのバトルを改善することを目標に、2019年シーズンにはフロントウイングやリヤウイングに関する新しい空力レギュレーションが導入される。
現在のF1マシンは、前を走るマシンに追いついてポジション争いをしようとすると、そのマシンから発生した乱気流の影響を受けてしまう。F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、この問題に取り組みたいと望んでいた。
彼は、新しいレギュレーションを導入することによって最大で20%の改善が見られると示唆していた。しかしルノーのエグゼクティブディレクターであるマルチン・ブコウスキーは、このレギュレーション変更に対して疑念を抱いている。
「この規則変更は、わずかながらに正しい方向に向かっていくだろう。だがこれが重要な変更になるとは考えていない」とブコウスキーは『Crash.net』に語った。
「データ上では、今のところそれほど大きな変化は見られない」
「全体的に、我々はこのレギュレーション変更に反対していた。当初は変更に反対する票を投じたのだ」
「あの当時、我々はそれを公にした。というのも、オーバーテイクをしやすくするという目標に到達できるとは考えていなかったからだ」
「それに多大なリソースや資金が必要だった。非常に不明瞭な目的のために、土壇場の作業をしなければならなかった」
今回のレギュレーション変更は、2021年に予定されている大幅な技術レギュレーションの変更を前に行う暫定的なものだ。ブコウスキーは、2021年の規則変更がより効果的なものになることを望んでいる。
「理論上は、(この規則変更の)方向性は正しい。2021年に向けて行われていることも同様だ」
「空力パフォーマンスの点では、違いはより小さいはずだ。実際にコース上で前を走るマシンについて行くことや、オーバーテイクが容易になるかどうか……我々の意見としては、わずかに簡単になるだろうと考えている」
しかし彼はF1の利益のためにも、開幕戦で実際に2019年型マシンがコースを走った時に、この考えが間違っていると証明されたら満足だと話した。
「もしこれらの考えは事実ではなく、前を走るマシンの背後について走ることができたり、オーバーテイクが増えれば、我々はそれを嬉しく思うだろう」