ハースF1のチームボス、ギュンター・シュタイナーが、チームの将来の計画について語ったところによると、彼らは少なくとも2020年シーズンまでは「慎重な」アプローチを採るつもりだという。
「私が話せるのは、向こう2年間に関することだけだ。まだそこから先の契約はしていないからね!」と、アメリカのモータースポーツ専門誌「レーサー」のインタビューで、チームとして今後2、3シーズンのうちに達成したいことは何かと質問されたシュタイナーは述べた。
2021年以降のF1のあるべき姿に関する、各チームのオーナー、FIA、リバティ・メディアによる話し合いは、目下のところ膠着状態に陥っている。そして、この話し合いの結論はF1では最も新しく、最も規模が小さいチームであるハースの行く末に、大きな影響を及ぼす可能性がある。
2016年にF1にデビューしたハースは、最初の2シーズンをコンストラクターズ選手権8位で終えたが、昨年は大きく躍進し、マクラーレン、フォース・インディア、ザウバーを抜いて5位につけた。
今後も彼らが、さらに選手権での順位を上げて行けるかどうかは、現在進行中の話し合いから導き出される2021年以降の新レギュレーション次第と言ってもいい。
「バジェットキャップが施行されるなら、それがない場合よりも、私たちが順位を上げるチャンスは大きくなると思う」と、シュタイナーは言う。「そして、受け取れる分配金の額は、多ければ多いほどいい」
「それが(2021年からの)新しい商業契約で最も重要な点のひとつになる」
ハースは技術面に関して、現行のレギュレーションを最大限に活用してきた。彼らはフェラーリやダラーラとテクノロジーを共有し、自前の開発チームやエンジニアの人数を抑えてオペレーションを効率化することで、チームを比較的小規模の予算でも維持できるようにした。
新レギュレーションによって予算規模の格差が縮小すれば、ハースにとってはその状況を生かして、規模が大きく、資金も豊富なチームとのギャップを縮めるチャンスが訪れることになる。だが、それまでの間は、「何かを急に変えたりせず、慎重な」戦略を採ると、シュタイナーは言う。
「これから2年間は、基本的に同じやり方を維持するつもりだ。もっといいチームになるために、まだ学ぶべきこと、トライすべきことがある」
「今年(2019年)に関しては、これまで以上に多くのタスクにトライしていきたい。ただ、あまり多くを望みすぎてもいけない。欲ばりすぎてつまずくというのは、よくあることだから」
その一方でシュタイナーは、新ルールへの移行については、2021年よりずっと前から準備を始める必要があることも、十分に承知しているようだ。
「ご存知のように、2021年のF1に向けての準備は、2020年半ばにスタートするのではない。遅くとも、2019年半ばには始めることになる。もし確かな情報が得られるのなら、それ以前からでも始めたいところだ」