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あらゆるものを包丁へと変えるYouTuber「圧倒的不審者の極み!」 海外からも人気の理由に迫る

2019年02月06日 08:31  リアルサウンド

リアルサウンド

 “包丁を作る”動画で絶大な人気を誇るYouTuber「圧倒的不審者の極み!」をご存知だろうか。投稿頻度は少ないながらもいざ投稿されたとなれば必ずといっていいほど急上昇に取り上げられ、YouTube好きであれば目にしたことがあることだろう。HIKAKINやはじめしゃちょーといった人気YouTuberとは異なる専門性を持った圧倒的不審者の極み!の魅力をそのマニアックな動画とともに紹介していく。


(参考:魚捌き系YouTuber「きまぐれクック」チャンネル登録者数150万人突破 菅田将暉もハマる、その魅力とは?


圧倒的不審者の極み!とは
 2016年10月よりYouTubeにて動画投稿を開始し、現在では登録者数200万人以上持つ大人気YouTuber圧倒的不審者の極み!。チャンネル開設当初は現在のような包丁を研ぐ動画は投稿していなかったが、2017年11月より本格的に投稿を開始。その職人顔負けの精巧な技術と思いも寄らない物質から包丁が作り出される意外性が国内外で話題を呼んだ。


 動画「骨董品店で買った錆包丁を18時間手作業で研いだ結果」は、投稿当初から爆発的な人気を獲得し、現在では2000万再生を記録。錆だらけの包丁だが、7時間という時間をかけてサンドペーパーにより表面の錆が落ちていく様子は、見ているだけで心地いい。続いて様々な粒度の砥石を駆使してさらに磨きをかけ、ほぼ新品同様と言っても良い切れ味の鋭い包丁が完成する。全ての工程が手作業で行われ、タイトル通り、完成までに約18時間を要している。そのストイックさには驚かされるばかりだ。


 彼の代名詞となっているのが、あるあらゆるものを包丁へと変える動画だ。「ゼリー」や「Amazonのダンボール」など、包丁とは程遠いアイテムから、鋭利な刃を生み出す。その制作過程は圧巻で、つい動画に釘付けになってしまう。


 圧倒的不審者の極み!がYouTube上に動画を投稿するようになったきっかけとして、YouTuberによくありがちな「目立ちたい」という思いではなく、本人は、YouTuberという職業を理解すること、そして動画の収益の真偽を確かめたいという思いがあったと話している。この点からも、彼が独自のスタンスを持ち、一般的なYouTuberとは異なるアプローチで活動していることがわかるだろう。


 現在のYouTubeの現状はブルーオーシャンからレッドオーシャンに変わりつつあり、新たに参戦することが難しいと言われることも少なくない。しかし、そのなかで状況に左右されず、確かな地位を獲得しているのが、「圧倒的不審者の極み!」のような、ある種専門的なスキルを持ち合わせたYouTuberだ。誰にも真似できないアイデアとスキルが、彼の大きな魅力となっている。


 動画のコメント欄を見ればよく分かることだが、海外からの声が非常に多く、動画によっては日本人のコメントを探すのが大変なほどだ。英語字幕の効果も高いと思われるが、言葉が違っても楽しめるコンテンツであることが大きい。ビジュアルだけで面白さが伝わるのが、圧倒的不審者の極み!の強みである。先日は水溜りボンドが投稿した動画「本気でチャーハン作るドッキリwwwwww」に関連して、巨大チャーハン(食品サンプル)の画像が『TIME』誌に掲載されるなど、海外で大いに拡散されたが、数々の包丁動画はこれに近いインパクトを持っている。


 誰にも真似できない専門生を持っているからこそ、様々なジャンルのコンテンツが溢れているYouTube界隈において、着実にチャンネル登録者を増やしてきた「圧倒的不審者の極み!」。メディア露出も増えているHIKAKINをはじめとする人気YouTuberと比較すると、一般知名度はまだ高くないが、これを機に動画をチェックしてみてはいかがだろう。


(川崎龍也)