2017年のもてぎで行われたGT500×DTMのデモラン。クラス1規定の6車種が一堂に会する歴史的な瞬間となった。 スーパーGTを統括するGTアソシエイションと、DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.Vとの間で調整が続けられている、GT500車両とDTM車両による“ジョイントイベント”=交流戦。ファン待望のイベントだが、2019年11月23~24日に富士スピードウェイで開催されるようだ。
2014年から、スーパーGT GT500クラスとDTMは車両規則の統一を目指し、共通モノコックをはじめとしたパーツの共通化を進めてきたが、その具現化と言えるのが、両カテゴリーのマシンがともに戦う“ジョイントイベント”の実現。GTA坂東正明代表、そしてITRのゲルハルト・ベルガー代表がともに開催を目指してきた。
2019年については、当初ドイツで1レース、日本で1レースの開催を目指し交渉が進められていたが、どうやら今季は富士でGT500 vs DTMの戦いが見られることになりそう。この交流戦に参加するDTM車両は14台となる見込みで、この14台をGT500車両15台が迎え撃ち、6メーカー合計29台によって、かつてない戦いを繰り広げることになる。
詳細は明らかになっていないものの、タイヤはDTM同様コントロールタイヤが採用されるはずで、レースフォーマットもDTMに準じたスプリントレースになるだろう。DTMでは土曜、日曜それぞれに決勝レースが組み込まれることから、それと同じ方式を採用するなら、2名1組のGT500ドライバーは、それぞれが土曜か日曜いずれかのレースにエントリーする形が考えられる。
DTM車両は“デザインライン”下部の空力を統一するなど車両規定の細部がGT500と異なるため、性能調整をどのように実施するかなどの細かい部分の調整事項はあるとしても、交流戦開催を目標に、10年の時間をかけて準備を進めて車両規則の統一も進めてきただけに、この交流戦実現はスーパーGTが次のステップへ進む大きな足がかりとなるであろうし、単純にスリップストリームの使いやすい富士でGT500車両とDTM車両29台がスプリントで戦うと、どのような展開になるのか興味深い。シリーズポイントに関係ない一戦でもあり、GT500ドライバーとDTMドライバーのプライドと意地のぶつかり合いとなることは必至だろう。
そして話が前後してしまうが、注目なのは10月6日のDTM最終戦ホッケンハイムには、GT500の3メーカーのテスト車両がDTMのレースに(!)参戦すると言われている。当初、GT500全車エントリーのジョイントイベントをドイツでも開催するべく調整が続けられていたが、日程等の調整がつかなかったことでこのような形となるようだ。
こちらはDTMのシリーズに含まれた一戦であり、タイトル争いにGT500の3台がどのような影響を及ぼすのか興味深い。DTM関係者、欧州のモータースポーツ関係者、ファンにどのようなインパクトを与えるのか、日独交流の最初の一歩という意味でもこの一戦に注目が集まる。富士でのレース、そしてホッケンハイムとも、どちらも正式発表を待ちたい。