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全日本ラリー:2019年シーズン第1戦で新井敏弘が逆転優勝。スバル表彰台独占

2019年02月05日 11:41  AUTOSPORT web

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新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)
2019年シーズンのJRC全日本ラリー選手権第1戦Rally of Tsumagoiが1月31~2月3日に行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が逆転でシーズン初戦を制した。

 全10戦で構成される2019年の全日本ラリー。そのシーズン開幕戦となるRally of Tsumagoi はシーズン唯一のウインターラリーで、群馬県嬬恋村を舞台に、例年多くの雪が積もるステージを舞台に争われる1戦だ。

 シリーズでは、この2019年から参加車両規則が大幅に変更され、WRC世界ラリー選手権の下位カテゴリなどを戦うカスタマー向けマシンであるR5車両の参加が認められる。ただし、この開幕戦にはR5車両のエントリーは行われていない。

 またクラス区分についても、これまでの6クラス制は維持しながらも、JN1を最高峰に、JN6をもっとも下のクラスにするといった変更が行われている。

 競技は2月1日(金)夜に行われたセレモニアルスタート後にスタート。ナイトステージとしてSS1~5までが行われ、この日は全ステージでスバル勢がトップタイムを独占し、鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI)が総合首位、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が5.3秒差の総合2番手、新井が25.8秒差の総合3番手に続いた。

 競技2日目となる2日(土)もスバル勢の速さは衰えず、この日も快走。なかでも総合首位の鎌田はSS6~12の7SS中、SS10と12でトップタイム、SS6と8では2番手タイムを刻み、総合でのリードを21.1秒まで広げてみせる。

 一方の総合2位争いは勝田を追う立場の新井がSS6~8まで3SS連続でトップを奪う追い上げをみせると、前日20秒以上あったマージンを7.6秒まで縮める。

 その後も新井の勢いは止まらず、この日4度目のステージ優勝を奪ったSS11を終えた時点で2秒差まで詰め寄ると、SS12でついに逆転。1秒リードで総合2番手に浮上した。

 迎えた競技最終日の3日(日)はSS13~18の6SSで争われた。21.1秒のマージンを持つ鎌田は着実にリードを広げ、SS16終了時点でリードを26.7秒としてみせる。

 このまま鎌田が逃げ切るかと思われたが、直後のSS17走行中にスピン。コース復帰に時間がかかってしまい、ステージ1位から43.7秒遅れたステージ19位に終わってしまう。このタイムロスで鎌田は総合首位から陥落。かわって10.6秒リードで新井がトップに浮上した。

 最終SS18では鎌田がステージ優勝を奪ったものの、0.2秒差で新井が続いたため逆転はならず。2018年のシリーズチャンピオンである新井が2019年初戦を白星で飾った。総合3位は勝田が続き、スバル勢が表彰台を独占している。

 全SS終了後、鎌田は「(SS17)愛妻(の丘)の2kmくらいのところで、ちょっとインカットしたらイン側のタイヤハウスの中に雪が入ってきた」とスピンした状況を明かした。

「これでハンドルが効かなくなり、ステアリングがロックしたような状態になってしまって、スピン」

「Uターンするにもハンドルが動かなくて、何回かやっているうちに40秒くらいロスしてしまいました。ついていないです」

 優勝した新井は「あまり気分の良い勝ち方ではないですが、みんなそれぞれスピンしているから仕方ないですね。難しいラリーでした」とコメントした。

 JN2クラスはTOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(トヨタ・ヴィッツ)が優勝したほか、JN3は筒井克彦/松本優一(トヨタ86)が、JN4は山口貴利/山田真紀子(ダイハツ・ブーン)が、JN5は天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、JN6は大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツ)が、それぞれクラス優勝している。

 2019年の全日本ラリー選手権第2戦は3月15~17日に行われる新城ラリー2019。ここ数年シリーズ最終戦を務めてきた愛知でのターマック(舗装路)イベントが春先の第2戦として行われる。