フェラーリCEOのルイ・カミッレーリが、2018年夏にマラネロの経営を引き継いで以降、初となる決算説明会に臨み、2018年の最新四半期および年間決算を発表した。
2018年の純利益が46%増えたとする内容を含む好業績の発表を受けて、1月31日のニューヨーク証券取引所ではフェラーリの株価が10%以上急騰した。フェラーリは2018年通期で34億ユーロ(約4262億9200万円)を売り上げ、そのうち7億8700万ユーロ(約986億7400万円)を純利益として稼いだ。
また、2018年の販売台数は全世界で9251台だった。台数ベースで対前年比10.2%の伸びとなる。
アナリストたちの平均的な予想と比べて売上高はやや低かったものの、フェラーリの決算は全体として当初の想定を大きく上回り、カミッレーリCEOも今後に向けて前向きな見通しを示している。
「世界情勢と完全に無縁でいるわけにはいかないが、我々は非常に強い回復力を持っている」とカミッレーリはアナリスト向けに行われた今回の電話会見で述べた。
「受注は引き続き堅調であり、受注状況は我々の予測値と合っている」
現在63歳のカミッレーリは、2018年の7月に亡くなった元会長兼CEOのセルジオ・マルキオンネの後を受けてCEOに就任した。しかしその後、フェラーリ経営陣の内紛から失脚するのではないかとする噂がメディアを駆け巡り、カミッレーリはこの数カ月間、世間の注目を集めてきた。
だが、フェラーリ会長のジョン・エルカーンは2月初め、カミッレーリに対する支持をあらためて表明し、フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネが更迭された直後にCEOを追放されるのではないかとする見方を否定した。
フェラーリの2018年売上高には5億600万ユーロ(約634億4200万円)に上るスポンサーシップ収入、商業収入、ブランド収入が含まれ、この額は2017年の数値を若干上回る。フェラーリは「スポンサーシップ収入が伸びたことに加え、2017年のF1世界選手権で2016年よりランキングが上がったことも背景にある」と説明した。
フェラーリはまた、「主にF1で支出を抑えたことで、工業原価や研究開発費が若干減少(800万ユーロ)(約10億円)した」とも述べている。
2018年シーズンに再びF1タイトル獲得の好機を逃がしたフェラーリは、2019年の予算を増額すると見られている。世界タイトルをマラネロに持ち帰るというこれまで待望されてきた目標達成に向けて、現時点では約4億3500万ユーロ(約545億4000万円)が計上されているようだ。
「2018年に我々は、前回(2008年)のコンストラクターズタイトル獲得以来最も良い成績をあげた。2019年の目標はタイトルを手にすることだ」
「この大望を遂げるために、費用の増額を予定している」