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『グッドワイフ』北村匠海が抱えるコンプレックスが明らかに 常盤貴子との関係性にも変化が

2019年02月04日 13:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 常盤貴子が主演を務める日曜劇場『グッドワイフ』(TBS系)が、2月3日に第4話を迎えた。


参考:<a href=”https://www.realsound.jp/movie/2019/01/post-311076.html”>『グッドワイフ』小泉孝太郎は常盤貴子と結ばれるか? 唐沢寿明による驚異の伏線回収も話題に</a>


 今回、依頼人として蓮見杏子(常盤貴子)を訪ねてきたのは荻原翔平(佐藤緋美)という少年。翔平は喫煙がバレたという相談で杏子を尋ねるが、その後、傷害致死容疑で逮捕されてしまう。翔平の母親は以前杏子の親友であった荻原奈津子(須藤理彩)。杏子の夫・壮一郎(唐沢寿明)が逮捕された後、奈津子は杏子を裏切り2人は不仲になったが、今回の事件をきっかけに再会するのであった。杏子にとっては古傷が痛む心苦しい事件だが、翔平が自分を頼ってくれたよしみで解決へと奔走する。そして杏子は、奈津子のことを考え、この事件を朝飛(北村匠海)にメインでやってもらうようにお願いするのであった。すると、朝飛が隠していたある事実が発覚する。


 朝飛は実は裁判の経験が一度もない弁護士であった。交渉が得意であるゆえの経験不足だが、そのことで今回の事件でも裁判を避けるように解決しようとする。しかし杏子と依頼人の意向で、翔平に前科をつけさせないために裁判で闘うことを決意。遅くまで残って猛勉強するのであった。そこで初めて、朝飛の抱えるコンプレックスが浮き彫りになり、今までの強気な朝飛とは違う一面が描かれたのであった。


 朝飛を演じる北村匠海は、示談にすることを提案するときの強気で自信に溢れたプレゼンと、裁判時の緊張で震える様子の二面性を表現する。裁判時の朝飛は全く活躍できずに悔しい思いをするが、その不甲斐ない様子を繊細に演じきった。父親に認められたいという思いの強さゆえに努力をしたが、なかなか思うようにはいかない。そんな姿は、仕事で悩む人にとって重なる部分もあったのではないだろうか。頑張っていても、必ず結果に繋がるわけではない。それでも食らいつく朝飛に背中を押される思いだ。


 朝飛と杏子はこの一件で少し関係がよくなった。2人の距離感はセリフではなく、北村と常盤の表情によって表された。2人の芝居からは、お互いに対する信頼感が変化している様子が手に取るように伝わってくる。常盤の芝居はもちろん、それに応える北村の実力が垣間見える瞬間でもあった。北村はこの朝飛という役の成長を芝居を通して表現し、ドラマに花を添えるのであった。


 一つのストーリーの中で、人物の表の顔、抱えている背景、そして核心に迫る部分までが描かれた第4話であったが、深掘りされたのは朝飛のキャラクターだけではない。朝飛との化学反応で、神山多田法律事務所の人物が深掘りされ、円香(水原希子)、多田(小泉孝太郎)までもが感情的な部分を見せた。


 杏子をとりまく環境は、壮一郎の一件もあり穏やかではない。しかし未来に向かって着実に切り開かれていく爽快感が感じられた。外に出て居場所を見つけた杏子にとって、今でも壮一郎は必要なのか。子どもたちという守るものがある杏子だからこそ、判断は慎重になる。しかし多田のサポートや、法律事務所でのやり甲斐を感じる仕事などで、さらに女性としての凜とした強さを得ている杏子。その中で杏子がどのような一手を打つのか、次週以降も見守っていきたい。 (文=Nana Numoto)