2019年02月03日 09:51 弁護士ドットコム
退職届を出したところ、上司に破り捨てられたーー。1月25日につぶやかれたツイートが4万回以上RTされ、話題になっている。
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昨日退職届を出しました受理しないと言われその場でビリビリに破かれゴミ箱に捨てられましたこれで提出した証拠は無いね~と自信満々に笑う上司すかさず2通目の退職届を出しその場を去りましたまた捨てられたようで受け取ってないと言いますあと8通用意してるのでいくらでも出せます
破り捨てられることを見越し、退職届を10通も用意したというユニークさもウケているようだ。投稿主によると、さすがの上司も3通目で折れたという。
こうした事例は珍しくなく、弁護士ドットコムにも「退職届を受理されなかったらどうなるのか」という相談が複数寄せられている。
ある男性は「代わりがいない」と慰留されているという。退職届を破り捨てられるかもしれないといい、「受け取ってくれるまで書かなければダメなのでしょうか」と不安な気持ちを打ち明けている。
労働問題にくわしい大久保修一弁護士によると、法的には退職届を上司が手に取った時点で、効力は発生しているという。それどころか、書面でなくてもよいので、口頭で伝えても有効になる。
ただし、「聞いてない」とか「退職届なんて受け取っていない」などと言い訳してくることも懸念される。
「メールで同じ内容の文面を送っておけば、受け取っていないという言い訳もしづらいだろうと考えられます。もし、できるのであれば、配達証明で郵送しておくのがより望ましいでしょう」(大久保弁護士)
辞めるだけなら、お金はあまりかからない。
簡単に辞めさせてくれないような会社だと、必要書類を渡してくれないなどのトラブルがあるかもしれない。その場合、離職票ならハローワーク、源泉徴収票なら税務署など、該当する機関に相談するといい。
余った有給休暇や未払い残業代などをめぐって揉める可能性もある。そのときは労働組合や労働問題の専門家に相談しよう。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
大久保 修一(おおくぼ・しゅういち)弁護士
2014年弁護士登録(第二東京弁護士会)。旬報法律事務所所属(弁護士27名)。ブラック企業被害対策弁護団副事務局長。日本労働弁護団東京支部事務局。著書に「まんがでゼロからわかる ブラック企業とのたたかい方」(共著佐々木亮、まんが重松延寿、旬報社)がある。
事務所名:旬報法律事務所
事務所URL:http://junpo.org/