WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦するフォルクスワーゲン陣営のSLR(セバスチャン・ローブ・レーシング)は、2019年シーズンに向け体制発表済みのロブ・ハフ、メディ・ベナーニ、ヨハン・クリストファーソンのチームメイトとなる最後の1台に、ルーキーのベンジャミン・ルークターを起用すると発表。また、新型『アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR』を投入するチーム・ミュルザンヌは、ケビン・チェコンとの再契約をアナウンスした。
「WTCRのような世界的ツーリングカーシリーズに参戦するのはキャリア初期からの夢だった。その願いが叶って最高の気分だよ」と、SLR加入の喜びを語ったルークター。
「改めて、WTCRでフォルクワーゲン最後のシートを与えられたことを心から誇りに思う。そしてドイツを代表するブランドに恥じないパフォーマンスができるよう全力を尽くすつもりだ。WTCRのカレンダー全10戦のうち、ふたつのサーキットしか走行経験がないけれど、素早く学ぶことにかけては自信を持っている。成功するために努力は惜しまないよ」
WTCRではルーキー扱いながら、ドイツ出身の31歳であるルークターはフォルクスワーゲン・モータースポーツのブランドアンバサダーも務めており、この『フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR』の開発作業にも携わってきた。
また2018年はTCRドイツ・シリーズに参戦し、マックス・クルーズ・レーシングのゴルフGTIでドライバーズランキング8位の戦績を収めている。
「彼をWTCRにステップアップさせられて喜んでいる」と語るのは、ドイツ・ハノーヴァーに本拠地を構えるVWモータースポーツ代表のスヴェン・スミーツ。
「ベニー(ルークターの愛称)はここ数年にわたって我々VWファミリーの一員であり、ゴルフGTI TCRの開発プロジェクト初期から関わってもらっている。彼はエンジニアと協業しトラック上のリザルトを押し上げるべく、素晴らしい仕事を続けてきた」
「我々は2019年のWTCRシーズンに向け、とても強力で国際的なドライバーカルテットを完成させることができた。いうまでもなく、このチームで集団の先頭を争い栄冠を手にすることを願っている」
一方、1月末に2019年シーズンのWTCR参戦継続を発表したチーム・ミュルザンヌは、今季から投入する新型『アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR』2台のうち、エースカーのドライバーに2018年のWTCR鈴鹿レース1を制したケビン・チェコンを継続起用することを決めた。
「僕はこの発表ができることを心の底から待ち望んでいた。2018年はシリーズ後半戦からのチーム加入だったけど、僕らはともに成功を収めて日本ラウンドの鈴鹿サーキットでは、アルファロメオ勢で唯一の勝利も挙げることができた。その結果を受け、こうして2019年のフル参戦とシリーズへのコミットを熱望していたんだ」と喜びを語ったチェコン。
「また、これだけは言っておきたいが、僕はチーム代表のミケーラ(・セルッティ)やロメオ・フェラーリのスタッフ全員と信頼関係を築き、成功を収めるためハードに働き続ける意思を共有している。その事実は本当に心強いね」と続けた25歳のチェコン。
「2018年に僕らが達成したリザルトから予想すれば、この2019年はWTCRのフロントランナーになるべきだと思うけれど、同時にWTCRのコンペティションレベルを過小評価すべきでないことも理解している。それでも今は、進化したジュリエッタでトラックに向かう日が待ち遠しいよ」
すでに2019年シーズンに向けたBoPテストの作業を進め、EVOモデルとなる『アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR』の投入をアナウンスしているチーム・ミュルザンヌだが、2台目に起用するドライバーは明らかにしておらず、3月28~29日にスペイン・バルセロナで開催されるWTCR公式プレシーズンテストの直前には発表したい、としている。