オーストラリア大陸の人気シリーズ、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに参戦する強豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)が、今季カテゴリー初年度を迎える新生TCRオーストラリアにエントリーすることを発表。2台の新型『アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR』を投入するとアナウンスした。
「我々はかねてより、国際的な発展や展開の面でも、地域シリーズの可能性においても、TCRシリーズの動向に注目してきた。それはとても魅力的で感銘を受ける枠組みだと感じていたんだ」と語るのは、GRMのチームマネージャーであり創設者ギャリー・ロジャースの息子でもあるバリー・ロジャース。
「我々は長年にわたりモータースポーツビジネスに関わってきたし、自分たちの事業とこのスポーツ全体にとって価値があると思うものはどんなことでも検討する。このTCRシリーズがコンペティションにおいて費用対効果の高いシリーズであることは間違いない」
「だからこそ、我々は新たなTCRオーストラリア・シリーズ参戦に向け、2台のアルファロメオ・ジュリエッタTCRを用意すると決めたんだ」
2019年のGRMは、引き続きVASCにも2台の『ホールデン・コモドアZB』で参戦する計画で、大ベテランのガース・タンダーが去ったエースカーのシートには、フォードのファクトリーチームであるティックフォード・レーシングから移籍した新鋭リッチー・スタナウェイを迎え入れ、こちらもシリーズ2年目のジェームス・ゴールディンとの若手ペアを結成することとなった。
さらにチーム運営面では、これまで同チームのメインスポンサーを務めた“ウィルソン・セキュリティ”が契約満了となり、新たに“ブースト・モバイル”とのパートナシップ提携を発表。通信企業の同社は昨季までウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)のメインパートナーとして“ブースト・モバイル・レーシング”のエントリー名で参戦してきたが、その名称をGRMが引き継ぐこととなっている。
そのVASCでの活動と並行して進められているTCRプログラムだが、初年度に向けてのドライバーラインアップはまだ未定で、今後も検討が進められていくという。
「もちろん、GRMはVASCにメインリソースを集中しており、それが我々のファーストプライオリティだが、復活を目指すS5000への積極的な関与でもわかるとおり、GRMはつねに新たな市場を探そうとしている」と続けたバリー。
GRMはかつてオーストラリアン・スーパー・ツーリングカー時代の1995年にスティーブン・リチャーズを擁して『アルファロメオ155』を走らせた経験を持っており、これがGRMにとってアルファロメオへの2度目の関与ということになる。
「私とヘッドエンジニアのリチャード・ホリウェイは、このオフにヨーロッパを歴訪して数多くのTCRマニュファクチャラーを訪ねた。そのなかでとくに(ジュリエッタTCRを製作する)ロメオ・フェラーリの仕事と施設に感銘を受けたんだ」
「家族経営のビジネス規模には親近感を覚えたし、自動車メーカーとの強い結びつきや、彼らのモータースポーツに対する熱意に感動したよ」
「そこでGRMはアジア太平洋地域でアルファロメオ・ブランドをグループ化し、推進するのを手助けするコラボレーションを結成した。そしてまったく新しい『ジュリエッタ・ヴェローチェTCR』を導入できる最高のタイミングも重なった。この完璧な機会に、競争力のあるユニークな最新スペックのマシンを、このオーストラリアで走らせるつもりだ」
2019年のTCRオーストラリア・シリーズ初年度の開幕戦は、5月18~19日にシドニー・モータースポーツ・パークで開催される。