大型連休に関する話を聞いたり、ニュースとかで「夏休みもあと僅かですね」みたいなキャスターのやり取りを見ていると、自分が小学生とか中学生だった頃のことを思い出す。
夏休みが始まる7月25日とかは「いよいよ1ヶ月遊びまくれるわ」と嬉しく思ったりしたんだけど、お盆を過ぎた辺りから「もう学校行って友達を遊びたい」とか考えるようになったものだ。
子供なんて学校にも家にも楽しみは多いものだから、それも当然かもしれない。でも社会人の場合、家と職場、どちらが落ち着くかと考えれば「そんなもん前者だろ」という人が大多数だろう。
僕も勤め人時代は常々「職場と家の往復って、世界一無駄な時間の使い方だ」と思っていたし、職場は仕事をする場であって、安心するような要素はあまりないものだ。(文:松本ミゾレ)
何故家より職場なのか!職場が落ち着くと語る人々、その理由について
先日、ガールズちゃんねるを閲覧していると「家より職場の方が安らぐ人」というトピックを発見した。「そんな奴がいるのかよ」とか思っていたのだが、まずこの投稿者自身がそうなのだという。
彼女は30代独身実家暮らしで、家族仲も上々。しかし、彼氏がいない現状では休日には特に予定もなく、寂しい思いをしてしまうのだとか。一方で職場にいればそんな思いをすることもなく、同僚も優しく、穏やかな社風なので安心するとのことだ。
かなり変わった人だとは思うが、こういう人は意外といるようだ。このトピックに寄せられた書き込みを紹介する。
「職場が好きっていうか、嫌いじゃないし時間たつの早い! 私も仕事嫌じゃないよ」
「子供二人いて、家では戦争みたいだから職場落ち着くわー」
「仕事内容は正直キツイけど、一人現場で自分の裁量でどうにでも出来るから、何もしない夫にイライラしてるより仕事してた方が気が楽」
「家がつらく、職場にいる方が楽です。義姉が離婚し、娘達と出戻っています。 姑、義姉、その娘達にいびられ働かされ、給料を奪われて。夫もあちらの言いなり。離婚を考えています」
特に、家族間の問題のせいで、家に居づらいという女性が多いようだ。まあ分かる気もする。伴侶が一切家事もしないでいるような家なんて、そこにいるだけでイライラしてしょうがなくなるだろうし。
しかもそんな伴侶も飯は食うしトイレも使う。何もしないので片付けもしない。便座は上げっぱなし。その後始末をするのは、残ったもう1人だ。
安らげるような職場はある意味うらやましい
ところで、今回「家よりも職場が安らぐ」と考えているこの女性って、ある意味で幸せな人なんじゃないかと思う。世の中には家庭もメチャクチャで追い詰められているような世帯も山とある。その上、職場もまたブラック気味で落ち着く要素が皆無なんてことは珍しくない。
家でも職場でも針のむしろのような日々を送っている人だって、きっと少なくはない。しかし彼女の場合は家族仲も良くて、しかも会社の雰囲気はバツグンに良いと来ている。これはむしろ恵まれた環境であるとも言えるのではないだろうか。
シンプルに、羨ましいと感じてしまった僕はわがままだろうか……。笑顔の絶えない明るい家庭。そして優しい同僚に囲まれた職場。この2つがあるだけで、人はどれだけ頑張って生きられることだろう。
僕のコラムでは、ブラック企業に勤める労働者の断末魔みたいな声を取り上げることがある。他人の不幸は蜜の味がして最高に美味いので、そういう人々が完全にいなくなっては困るものの、一方で「もう少しだけ、家でも会社でも安心していられる人が増えてもいいのでは」と感じてしまうところだ。