パワハラや長時間労働、残業代の未払いなどブラック企業にはさまざまな問題がある。その要因は、経営者やトップの常軌を逸した考え方にあることが多い。キャリコネニュース読者から寄せられたアンケートには、
「夫婦で経営している小さいデザイン会社。揃って覚せい剤で同時期に逮捕された」(クリエイティブ職、30代女性)
「社長の気分で昇給や賞与が決まる。自分の報酬は85万なのに現場で働く従業員は最低賃金。産業廃棄物処理の会社だったのに、不法投棄をして社長一家は姿を消しました」(管理・事務職、50代女性)
といった「ひどい経営者」に関するエピソードが寄せられた。
子どもの学校行事で半休を取った際、「有給なのに文句を言われて賞与をもらえなかった」
事務職の40代女性は入社間もないころ、仕事量が少ない割に時給が高いことを疑問に感じていた。しかし勤務開始から半年ほど経って、その理由がわかった。
「毎日社長からかかってくる電話に何時間も応対しなくてはならないんです。社員は数人しかおらず、たまたま電話を取った人がターゲットになります」
社長は出社することなく、自宅から電話をかけてくる。時には酔っぱらって、時には激怒して自分の経験やら考えやらを何時間も話すといい、
「政権批判とワイ談が定番で、時期によって自分の前世、霊、UFOなどの話。これが毎日何時間もとなるとかなりきつい」
と当時を振り返る。高時給だったが嫌気が差してしまい、退職した。
クリエイティブ職に従事していた40代女性の元勤務先の社長は、経営について素人同然で「ブラック前社長の操り人形」だったという。いわゆる「雇われ社長」で経営実権はなく、その不満をぶつけるかのように、
「仕事には細かすぎて、自分と同じやり方をしないと罵倒されたりネチネチ言われた」
という状態だった。女性が子どもの学校行事で半休を取った際、「有給なのに文句を言われて賞与をもらえなかった」という。
「クリアしたら福利厚生をつけてやる」 無理難題を押し付け、達成しても反故
販売・サービス業の30代女性は、「社長の鶴の一声で、ギリギリになって企画が変わったり、せっかく作ったDMも全とっかえになったりする」と当時の不満を吐き出した。社長は現場に理解がないだけでなく人間的にも大きな問題があり、やりたい放題だ。
「市の決まりで払わなくてはいけない企業ゴミの処理費用を長年払っていない」
「契約違反の取引をしている 」
「できもしない売上目標を掲げさせ、それをクリアしたら福利厚生を付けてやると後輩に約束した。後輩は達成したのに『コンスタントにあげないと付けない』とハードルを上げた」
管理・事務職として現在も働いている30代男性は、「常勤1名で365日営業です」といった激務をこなしている。ある時、 アルバイトに営業所を任せて休みを取ろうとしたところ、
「何かあったらどうするんだ」
と社長に言われ、勤務せざるをえなかった。男性は「社長様にありがたいお言葉をいただきました」と怒りを隠せない。ブラック企業経営者には常識も労基法は通用しないようだ。
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