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CARGUY Racing、2019年のスーパーGT参戦を断念。ル・マン24時間挑戦を目指す

2019年01月31日 19:41  AUTOSPORT web

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CARGUY ADA NSX GT3
2018年からホンダNSX GT3でスーパーGT GT300クラスに参戦を開始したCARGUY Racingは1月31日、2019年のスーパーGT参戦を断念し、エントラント協会を退会したと公式Facebookページで発表した。

 CARGUY Racingは、主宰する木村武史が“自動車冒険隊隊長”として、さまざまなスーパーカーをはじめ、クルマを使った楽しみを展開してきたプロジェクト、CARGUYのレーシングチーム。ランボルギーニ・スーパートロフェオやスーパー耐久等で活躍してきた後、2018年からホンダNSX GT3を購入し、スーパーGTに挑戦した。

 ただ、並行してフェラーリ488 GT3を投入し2018/19シーズンから参戦を開始したアジアン・ル・マン・シリーズでは、ジェームス・カラドとケイ・コッツォリーノ、そしてプロジェクトを主宰する木村のトリオで3連勝。シリーズのチャンピオンに与えられるル・マン24時間の出場権をあと1ポイントで手中に収めるところまできた。

 ビジネスマンとして多忙な日々を過ごすかたわら、自身の夢でもあるル・マン24時間挑戦のチャンスをつかみかけている木村にとっては、悩ましい選択を迫られていた。CARGUY Racingはル・マン挑戦を自社で行おうと考えており、もし実現すれば5~6月のスタッフはスーパーGTとル・マンの準備で忙殺される。何より会社経営者である木村は、そこまでサーキットで時間を過ごすわけにもいかなくなる。

 この悩みを木村はチームの公式Facebookページでたびたび記していたが、エントリー締切となる1月31日、「スーパーGTへの全戦参戦が不可能と判断した結果です」とし、今季のエントリーを断念したと明かした。

 すでにGTアソシエイションやGTエントラント協会、ホンダやヨコハマ、スポンサーには説明を行い理解を得たという。またホンダにはNSX GT3のエボリューションキットも発注していたが、これも今季参戦が実現しないことにより、装着されるもののスーパーGTへの実戦デビューは現段階ではなくなることになった。

 ただ木村としては、今季のスケジュールのなかでの苦渋の決断となったスーパーGTについては、「スーパーGTは日本が世界に誇れる素晴らしいレースコンテンツですし、そのレベルも世界トップクラスです。そんな素晴らしいレースシリーズに一年間参戦させていただき、大変ありがたく、深く感謝申し上げます」と述べている。

 さらに木村は「僕はスーパーGTが大好きなので、チャンスと機会とタイミングがあれば、またスーパーGTへ挑戦したいと考えております。また、その際は自分は走れなくてもGT500参戦も視野に入れます。そして、引き続き僕はGT300に挑戦するようなプロジェクトを組み立てます」と野心的なコメントを残した。

 残念ながら2018年にその鮮烈なイエローのカラーリングで話題を呼んだCARGUY RacingのNSX GT3は、2019年にスーパーGTで見ることはできなくなってしまったが、木村の夢でもあるル・マン24時間挑戦を応援したいところ。

「スーパーGTがなくなったいま、すべての照準を2月24日のアジアン・ル・マンに絞り、必ずル・マン本選へ出場して、日本チームとしてクラス優勝を本気で狙いにいきます!」と木村は力強く綴った。

 一方、2018年に木村とコンビを組んでいた横溝直輝は、ZOZOTOWNの前澤友作社長が立ち上げたスーパーカープロジェクト『前澤友作 スーパーカープロジェクト』のプロジェクトメンバーに名を連ねたことが1月27日にTwitterで明かされている。横溝によればこちらも意欲的なプロジェクトとのことだ。

初めまして、プロジェクトメンバーでレーシングドライバーのなおきです!レーサーの視点から見たスーパーカーの性能や最新技術のレビュー、サーキットデモラン、公道での安全ドライブなどをお伝えしながら、新しい車文化を皆さんや子供たちと共に創っていきたいと思います。よろしくお願いします! pic.twitter.com/SstQAHx1Mc— 前澤友作 スーパーカープロジェクト (@mzsupercar) 2019年1月27日