全日本ロードレースに参戦するwillraise racing RS-ITOHは1月30日、都内で体制発表会を実施。2019年シーズンは、最高峰のJSB1000クラスに柳川明を、ST600クラスに和田留佳を起用して参戦する。
2014年に誕生したウィルレイズレーシングは、カワサキ、ホンダのワークスライダーを経験した井筒仁康が自らの経験を後進に伝えるために立ち上げたプライベートチームだ。
チーム発足時はJ-GP2クラスに井筒の1台体制で参戦していたが、2016年は石塚健が加入し2台体制に。2018年は石塚、和田の2台体制でJ-GP2クラスに挑み、井筒は監督業に専念した。
2019年は念願だったという全日本ロードの最高峰、JSB1000に柳川を起用してフル参戦。マシンは2019年型カワサキNinja ZX-10RRのレースベース車両、タイヤはブリヂストンという組み合わせでゼッケンは87番を使用する。
また若手育成枠では和田を継続起用しST600に参戦。両クラスともに監督は井筒が務める。
チームを率いる井筒監督は「念願だったJSB1000に参戦することが決まりました」とJSB1000参戦の思いを語る。
「今は開幕をすごく心待ちにしていますが、まだマシンがそろっていませんし、開幕までに準備することが多くありすぎて喜び以上に不安もあります。ですが、JSB1000に挑戦できる幸せをすごく感じています」
「ベテランライダーの柳川選手は、僕が現役を走ってたときと同じ時代のライダーの魅力を今の若手に伝えていきたいという同じ気持ちを持っています。柳川選手の魅力でひっぱっていける部分もありますし、僕が持っていない能力をチームに受け継いでいほしい」
「まだ若手を1000ccのバイクに乗せるというチームではないので、1000ccのベースをしっかりつくるためのライダーとして柳川選手は適任だと思います。まずはプライベートのなかでトップ、チャンスがあれば優勝、表彰台を狙える位置にいたいです」
「和田選手に関しては18歳という若さで、去年はJ-GP2で苦戦しました。今年はST600に参戦し原点に戻って、ライダーの技量を培ってもらい成長を見ていきたいと思います」
■井筒と18年ぶりタッグを組む柳川「レースベース車両でもできることを証明する」
チームに加入した柳川は、スーパーバイク世界選手権(SBK)参戦、MotoGPテストライダーを経験しているベテランライダーだ。1997年のSBK第8戦オーストリアラウンドのヒート2で優勝を挙げている。2004年には全日本のカワサキトップチーム、チームグリーンに11年間所属。2016年以降はチームにアドバイザーとして帯同し、スポットでレースに参戦するなどしていた。
柳川は2001年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで井筒とチームを組んでおり、再びタッグを組んでレースを行うのは18年ぶりとなる。
「過去2年は大きなレースをしていませんでした。出るからには勝ちたいと考えています。勝てるための準備をしなければならないし、ミラクルを起こせるようにやっていきたいと思います」と柳川。
「井筒監督は勝つために何をすればいいか、わかっている人です。チームも6年目ということで全日本でもカワサキのトップチームであることは間違いないと思っています」
「レースベース車両でも『ここまでできるぞ!』、ということを証明する走りをしたいですね」
育成枠として継続起用となった和田は、2016年にST600に参戦して全日本デビュー。2018年はJ-GP2にステップアップし、ランキング16位で終えている。
和田は「昨年はJ-GP2でうまくいかず、結果を出すことができませんでしたが井筒監督のアドバイスもあって、技術面はしっかいと培ってきたと思います。ST600ではさらに技術に磨きをかけていきたいです。今年は勝ちを狙っていきます」と飛躍を誓った。