チームゴウが公開したマクラーレン720S GT3のイラスト。かつてのラーク・マクラーレンのカラーリングを想起させる かつて2004年にル・マン24時間レースを制し、1996年にはマクラーレンF1 GTRでJGTC全日本GT選手権にも参戦した実績をもつチームゴウが1月30日、2019年に『マクラーレン・カスタマーレーシング・ジャパン』というエントラント名で、スーパーGTとピレリ・スーパー耐久シリーズに参戦すると発表した。
郷和道代表が率い、1996年の『チーム・ラーク・マクラーレン』としてのJGTC王座獲得、さらにル・マン24時間への挑戦を展開し、アウディとのコラボレーションではル・マン24時間制覇を成し遂げた実績をもつ名門チームゴウが、ふたたびサーキットに戻ってくることになった。
チームは2006年、マセラティMC12でGT500クラス参戦を目指したが、そのときは国産メーカーの前に時間を要し、最終的に参戦は実現ならず。2009年にはポルシェRSスパイダーでル・マンに参戦。今回のマクラーレンでのスーパーGT&スーパー耐久参戦は、それ以来のモータースポーツ活動となる。
今回発表された内容によれば、株式会社チームゴウモータースポーツがエントラント名『マクラーレン・カスタマーレーシング・ジャパン』として、マクラーレン720S GT3でスーパーGTとスーパー耐久に参戦。島信之氏が代表、そして昨年までAudi Team Hitotsuyamaのチーム監督を務めていた岡澤優氏が監督、そしてチームルマンを率いていた土沼広芳氏がエンジニアという豪華な体制となる。
ドライバーラインアップも豪華だ。スーパーGTでは、多くの経験を誇り、ル・マン24時間制覇の際のドライバーでもあった荒聖治、そして2017年に全日本F3に参戦し、2019年はスーパーフォーミュラにも参戦する気鋭のアレックス・パロウがコンビを組む。タイヤは郷和道代表とブリヂストンの関係からBSの噂もあったが、ヨコハマを履くことに決まった。
一方ピレリ・スーパー耐久シリーズでは、パロウに加え、2018年まで全日本F3を戦っていた阪口晴南、そしてベテランの木下隆之が組む。タイヤはピレリのワンメイクだ。クラスは当然ST-Xとなるが、このクラスで起用が求められるブロンズドライバーを木下が務めると思われる。ライバルにとっては戦々恐々のドライバーラインアップだろう。
さらにチームは、8月に行われるインターコンチネンタルGTチャレンジの一戦、鈴鹿10時間にも2台のマクラーレン720S GT3で参戦するという。こちらはドライバーは後にアナウンスされるが、スーパーGTとスーパー耐久のドライバーに、マクラーレンワークスドライバーが起用されるかもしれない。
「私ども、株式会社チームゴウモータースポーツには、かつて『チームゴウ』として果たした2004年ル・マン24時間耐久レース総合優勝など、レースと勝利に対する『情熱』が受け継がれています。ドライバーやスタッフはもちろん、多くの経験と若く新しい力の融合をもって、再び国際的なレースイベントへの参加を行う予定です」とチームは参戦に向けて表明している。
マクラーレン720S GT3は、すでにベース車両の素性から多くのライバルが脅威と感じているマシン。さらに、チームゴウから発表された体制は両シリーズにおいて強力なものになるのは間違いない。かつてのラーク・マクラーレンを思わせる蛍光レッドとブラックのカラーリングは、かつてJGTCで“怪鳥”と恐れられたマシンの復活となりそうだ。