2019年からトヨタ陣営の一員としてWRC世界ラリー選手権を戦っているクリス・ミークは、トヨタ・ヤリスWRCを「これまで運転してきたラリーカーのなかで最高の部類」と評価した。
1979年イギリス生まれのミークは、2002年にWRCデビュー。2014年からシトロエン陣営の一員としてシリーズを戦ってきた。WRC初優勝は2015年だが、これまで通算5勝を挙げている。
ただし、ミークはクラッシュからリタイアする場面も多く、これが原因でシトロエンとの契約が打ち切られ、2018年シーズン中盤以降はラリー界から距離を置いていた。
そんなミークが1月24~27日に行われた2019年のWRC第1戦モンテカルロで実戦復帰し、トヨタでの実戦デビューを果たした。
ホイール破損などによるタイムロスから、最終リザルトこそトヨタ陣営のなかで一番低い総合6位となったものの、SS16では2位以下を3.9秒引き離してステージ優勝を飾るなど、ひさしぶりの実戦とは思えない速さをみせつけた。
またシーズン開幕前、「まずはラリーを楽しみたい」と口にしていたミークは、その言葉どおりにラリー・モンテカルロを満喫したようで、WRCの公式YouTubeチャンネルにはフィニッシュ後に思わず笑みを浮かべる姿を捉えた映像も掲載されている。
ミークはWRC公式サイト『WRC.com』に対し、「自分が想像していたよりも速いタイムをヤリスWRCで出すことができた。過去2シーズンの苦闘から抜け出せたと思う」と心境を明かしている。
「(シトロエン時代)速さを発揮できたラリーを満喫できなかったわけではない。だけど、綱渡りのようなギリギリの状態で戦っていたんだ」
「ラリー・モンテカルロでは、シェイクダウンから以前のような速さを発揮できた。9カ月近くも実戦から遠ざかっていたことを考えれば、まだ戦えると分かってうれしかったよ」
「マシンには(勝つために)必要なものが、すべてそろっていると思う。(2勝を挙げた)2016年のシトロエンDS3 WRCのように、これまで運転してきたなかで最高の部類に入るマシンだ」
「一番うれしいのは、トリッキーなコンディションのモンテカルロで走り出しからマシンの感触が良かったことだ。シーズンを戦うにつれ、さらに感触はさらに改善するだろうね」