現地時間1月26日~27日にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)開幕戦『ロレックス・デイトナ24時間』。ウェイン・テイラー・レーシングからコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックで参戦し、総合優勝を掴み取った小林可夢偉が優勝のよろこびを語った。
小林可夢偉は2018年11月に、WEC世界耐久選手権でチームメイトであるフェルナンド・アロンソとともに、WSCCの強豪チーム、ウェイン・テイラー・レーシングから自身初のデイトナ24時間参戦を表明した。
本戦前から優勝候補の1台と数えられていた10号車キャデラック。予選ではライバルのマツダRT24-P勢やアキュラARX-05勢に遅れを取り、総合6番手となったものの、キャデラック陣営としては2番手と好位置につけた。
決勝でまず力量を発揮したのはアロンソだった。レース序盤に5番手でステアリングを受け取ると、先行するライバルを相次いでオーバーテイク。総合首位の77号車マツダRT24-Pも抜き去ると、一時は17秒もの大量リードを築いてみせた。
好走を見せたアロンソからステアリングを引き継いだ可夢偉も、これがデイトナ24時間デビューとは思えない走りを披露し、総合首位を維持していった。
スタートから14時間経過したころには、レーススタート前から心配されていた雨が降り出して、路面は一転してウエットコンディションに。時間が経つにつれて、雨脚が強まったこともあり1時間45分に渡って赤旗中断となったほか、リスタート時に多重クラッシュが発生するなど、耐久レースらしい混乱模様となる。
そんな状況のなか、アロンソや可夢偉たちが操る10号車は危なげないレース運びで総合首位の座を守りきってチェッカー。アロンソは自身2度目のデイトナ24時間挑戦で、可夢偉は初の挑戦で総合優勝の栄光を手にしてみせた。
なお、日本人ドライバーがデイトナ24時間を制したのは1992年の長谷見昌弘、星野一義、鈴木利男以来のこととなる。
日本人4人目のデイトナ24時間制覇となった可夢偉は「この瞬間を幸せに思っています」とコメントしている。
「24時間レースには、多くのアクシデントやトラブルがつきもので、いいクルマを手にしているだけでは勝利に手が届きません。特に今回は本当に難しいコンディションでしたから、なおさらですよ」
「チームの全ドライバー、スタッフがすばらしい仕事をしました。特にチームは最高の働きをしてくれましたし、マシンの状態も文句なしに良かったです」
可夢偉とともにデイトナ初優勝となったアロンソは「デイトナで成し遂げたことを心から誇りに思う」とよろこびを語っている。
「今回の結果は決勝日1日だけで成し遂げたものではなく、1カ月に渡る戦いの成果だ」
「僕自身は2018年12月にレースを戦うのに必要な資料を手にして準備をスタートさせた。そして僕とカムイは(事前テストにあたる)ロア(ビフォア・ロレック24)で、チームに少しでも早く馴染めるように努めてきた」
「そしてレース自体は本当に難しいものだったよ。つねにコンディションが変化していく状況だったからね」