元F1ドライバーのエディ・アーバインは、フェラーリ時代のチームメイトであるミハエル・シューマッハー以外のドライバーに対して、自分は引けを取らないドライバーであったはずだと語った。
BBCによる独占インタビューの中で、アーバインはかつての激しい競争生活の中における自身の生涯について詳しく述べ、現在のF1はほとんど価値のないものだと主張している。
またフェラーリのセバスチャン・ベッテルについて、“過大評価されている”と批判を繰り返したアーバインは、自身がフェラーリに在籍していた4年間は誰が相手でも倒すことができただろうが、シューマッハーだけは倒すことはできなかったと認めた。
「シューマッハーと組んでいた時は最悪だった。もし彼以外のドライバーがチームメイトだったら、私にとって申し分ない状況だっただろう」
「彼以外に私よりも優秀なドライバーは多くなかったと思う。ただ、シューマッハーはまるで違う世界にいた」
「もし自分のチームメイトが(ゲルハルト)ベルガーや(ジャン)アレジだったらよかっただろう。彼らを倒すことはできたはずだ。だがフェラーリのためにドライブするというのは、次元が違う。きみたちには、そのレベルはわからないだろう」
「ひとりのスポーツマンではなく、まるでロックスターのようになるんだ。フェラーリという名前には、信じられないパワーがあって、その名声にある程度酔ってしまうかもしれない」
「フェラーリでドライブするというのは、それだけすごいことなんだよ」
アーバインは自分の才能が高いレベルにあると信じているが、彼は1999年を除いて、タイトルを争うことはできなかった。
その1999年はシューマッハーがイギリスGPで右足を骨折し、6レースを欠場した。これにより、アーバインはフェラーリで事実上のナンバー1ドライバーとなったが、マクラーレンのミカ・ハッキネンにわずか2ポイント及ばずタイトルを逃した。
「あの年の一番の問題は、ミハエルがアクシデントに遭った後すぐに、フェラーリが風洞からマシンを出したことだ」
「彼らは(1999年型の)マシンの開発をやめ、次の年のマシンを風洞でテストし始めた」
「これはフェラーリにとって理にかなったことだった。というのも、私がタイトルを獲得する可能性は低かったからだ」
「彼らは非常に明確な決断を下さなければならない。『アーバインは1999年にタイトルを獲得できてたのか?』と問われれば、私自身を含めた全員が『ノー』と答えただろう。あの年は、私たちのマシンよりもマクラーレンの方が1周あたり1秒速かったのだから」
「彼らは次の年にミハエルが戻ってくることをわかっていたし、ミハエルはスーパースターだ。だから、あの時の決断は完全に理にかなったことだった」