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OPPO、スマホ向けトリプルカメラに「ロスレス10倍ズーム」「ワイドゾーン光学指紋認証」技術を発表

2019年01月29日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

 OPPOは1月16日、スマートフォン向けのトリプルカメラに「ロスレス10倍ズーム」を載せた技術を「Future Technology Communication Conference」(北京)で発表した。


(参考:【CES 2019】180度折り曲がる、スマホとタブレットの二刀流デバイス「FlexPai」がアツい


 トリプルカメラは「超ワイドアングル+超クリアマスター+テレフォト」で構成され、超ワイドアングルレンズの焦点距離は15.9mm。これがワイドアングルビューファインダーと組み合わせて利用される。また、プライマリカメラが「写真の画像品質を保証」したうえで159mmのテレフォトカメラとオリジナルの「飛び出し」構造を組み合わせることで高品質なズーム撮影が可能になる。


 このトリプルカメラがリレー方式で動作し、それぞれのカメラの長所が最大に活かされるという。全てのズーム範囲で画像の品質を維持するため、標準カメラとテレフォトカメラの両方にデュアルOISの光学手ブレ補正機構を搭載した。


 トリプルカメラを実現するには、カメラ自体の構造に加え、OPPO開発の「ペリスコープ構造」も必要不可欠となる。「ペリスコープ構造」はレンズセットの横方向の配置と屈折を利用することでスマートフォン自体の筐体の幅と厚さを最大限に活用することができるようだ。これにより省スペースが実現し、スマートフォンをより薄く軽量化できる。これのおかげで大きなカメラや部品(コンポーネント)が利用できるようになる。


 カメラの耐久性能については業界における検査基準の落下テストを実施することでカメラモジュールの信頼性の検証を行っている。プリズム部分では2ラウンドの落下テストを実施。前後面で各1万回、残り4面で2,000回、合計2万8,000回の落下テストで構成される。


従来の15倍に認識範囲が拡大された画面内指紋センサー
 このカメラ技術とは別に画面内指紋センサーについてもテコ入れがなされた技術が発表された。画面内指紋センサーの主流は「光学式」となっており、今後は「超音波式」に切り替わる流れも見られるが、OPPOが今回発表した技術は「ワイドゾーン光学指紋認証」というものだ。この技術は、画面内で認識できる指紋認証の認識範囲が従来の約15倍になるというもの。スマートフォンのどのエリアでも指紋による認証が可能になるという。


 認識範囲が広くなるだけでユーザーによるエクスペリエンスが向上することはもちろん、2本の指を同時に認識する複数指紋認識など1本の指のよる指紋認証と比べて50,000倍のセキュリティレベルを実現したとのことだ。


 さらに「光暗号化」機能も搭載しており、ロックを解除する前にユーザーが暗号化アプリケーションを起動しないといけない従来型の2段階オペレーションと比べて、「光暗号エリア」内の全てのアプリケーションの起動・認証・ロック解除を1回のクリック操作で完了できるようだ。


 2019年内に「ワイドゾーン光学指紋認証」テクノロジーが搭載された製品が投入される予定だとしており、ますますの進化に期待が持てる。一方で「ロスレス10倍ズーム」は商品化のめどは立っていないとのこと。なお、スマートフォンだけで15.9mmから159mmをカバーできるため、広角・標準・望遠のスマートフォンのトレンド機能が全て利用できることになる。


 筆者は1月3日に公開された「2018年のモバイル業界の流れから読み解く2019年、スマートフォンのトレンドとは?」の記事にて「生体認証の進化」、「カメラの一本化」について触れているが、早くも実現する流れに近づいているように思える。


(佐々木翼)