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アメリカで大流行! 乗り捨てOKの電動スクーター『Lime-S』が楽しそう

2019年01月29日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 エンターテイメント界で活躍した人物の名前が彫られた星型のプレートが埋め込んである「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」を歩いていると、緑色の電動スクーターに乗った青年がスーッと追い抜いていった。「なんだあれは?」と思いながら、周辺をよく見回してみると、その辺の道端にも同じ電動スクーターが停めてあり、多くの人々がこれを利用している。約1年半ぶりに訪れたLAでは、この電動スクーター「Lime-S」が大ブームとなっているようだった。


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 街角で楽しげに「Lime-S」を操るカップルに、「いったいこれはどんなシステムなんだ?」と問いかけてみると、彼らは自慢気にこの新しい電動スクーターについて教えてくれた。「Lime-S」は、GPSを内蔵した“乗り捨てOK”の電動スクーターで、同じく乗り捨てOKのレンタサイクル「Lime Bike」と同じく、Lime社が運営している。ハンドル手元にあるQRコードを読み込み、専用のアプリで始動。アプリにクレジットカードを登録することで、1ドルから乗ることができる。


ハリウッド大通り沿いには、「Lime-S」がうようよ
 早速、筆者もアプリをダウンロードしてみると、地図が表示され、どこに「Lime-S」が止めてあるのかがすぐにわかる。バッテリーの状態も記されているのが親切だ。他にも、このアプリには運営会社に対して故障などを伝えるレポート機能や、乗車記録を見ることができる「Ride History」といった機能もある。時折、「なぜこんなところに?」と思うような場所に停められた哀れな「Lime-S」も見かけたが、そういう時は「illegal parking」として報告すれば良い。実に便利である。


 実際、筆者も人通りの少ない夜間に「Lime-S」に乗ってみたが、LAの快適な気候の中で乗るとかなり気持ちがよく、同じシステムが日本にもあると良いのに……と願わずにはいられなかった。現地の人々も、単なる移動手段としてのみならず、レジャーのひとつとして「Lime-S」のライディングを楽しんでいるようだった。


 とはいえ、やっぱりこれは危険な乗り物だとも感じるのは、筆者だけではないだろう。なにせ無免許で乗るのである。電動とはいえ結構なスピード(およそ時速24km)も出る。日本人が乗るにしては大ぶりなサイズということもあり、乗っているうちに単純に恐ろしくなって、筆者はすぐに降りてしまった。公式サイトでは、ヘルメット着用で自転車用レーンのみで乗ることを推奨されているのだが、実際には「そんなことはお構いなし」というユーザーがほとんどの印象だ。ユーザーのマナーの悪さから、現地では同サービスに対する賛否両論も巻き起こっているという。道交法の観点からしても、現状では「Lime-S」がポンと日本に上陸することはまずないだろう。


 しかし、この電動スクーター市場は現在、世界的にも大きな注目を集めていて、将来的には自動運転なども視野に入れ、新しい市民の乗り物として進化していくとも言われている。テクノロジーが発達して、安全上の問題がクリアーになれば、日本でも楽しめる日が来るかもしれない。(松田広宣)