F1はアジアへの進出を本格的に望んでいるようだ。リバティ・メディアは次の東アジア地区のターゲットに、フィリピンを見据えている。
Independent紙によると、フォーミュラワン・グループは1月初旬に“フィリピンGP”と“マニラGP”の商標を出願したという。この報道では、スポーツイベント、放送、衣料品、印刷物などを含む7項目において、フィリピンの知的財産庁に出願があったとしている。
フィリピンの首都にあたるマニラは“東洋の真珠”として知られた、人口密度の高い海辺の町である。急速な経済的発展を遂げるマニラは、F1やF1の商業パートナーに対して高い訴求力を持つかもしれない。
しかし、2020年にはベトナムGPもF1カレンダーに追加されることが決まっているだけでなく、すでに中国、日本、シンガポールでもグランプリは開催されている。アジアや東南アジア地域でのレースの増加によって、ヨーロッパラウンドに不利益がもたらされる可能性がある。
グランプリレースの原点は一世紀以上も前であり、組織的な自動車競技として成長してきた。競合する他の開催地がなければ、ヨーロッパでのレースがカレンダー落ちすることはないだろう。
実際、フィンランドが将来的なF1開催に興味を示しているとの報道がされたばかりだ。
アジアでの開催地が「莫大な費用を支払うだけで、長期的なブランドや健全なビジネスの構築については関与しない」という状況に陥ってしまうことも考えられるため、ヨーロッパがF1のアジア進出に対抗できるかどうかは、今後の課題である。
上記の台詞に聞き覚えがないだろうか。これは1年以上前に、リバティ・メディアのCEOであるグレッグ・マフェイがアゼルバイジャンGPの存在意義について語った際の言葉だ。