2019年01月28日 10:42 弁護士ドットコム
バイオリニストの高嶋ちさ子さん(50)が、1月16日に放送された深夜番組「ザワつく!一茂良純時々ちさ子の会」で、風変わりなトラブルに遭ったことを告白した。
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高嶋さんは30代前半のころ、東京・赤坂の路上をベンツで運転していたところ、信号待ちで軽トラックに乗っていたおじさんからドアをノックされた。おじさんからは、「うちの娘、昨日子ども生まれたばかりで今お見舞いに行ってきて、すごく気分がいい。魚売ってあげる」と言われた。
トラックの荷台には魚がたくさん積まれていて、おじさんが「持っていっていい」と言ったため、高嶋さんはタダだと思い、「本当ですか!」と魚を選んだところ、「いいよいいよ、じゃあ3万」と言われた。「えっ、タダじゃないんですか」と聞いたら「本当はもっとするんだけど3万円でいいよ」と言われたそうだ。
タダだと思っていた自分が恥ずかしくなって、「現金ないのでいいです」と断ろうとしたところ、1万円だけ持っていたことがバレてしまい、「残りはATM行こう」と迫られ、「じゃあ、この1万円で」と払ってしまったそうだ。渡されたのは、鮮度の低そうな真っ黒なマグロの切り落としだったという。
これに対して、長嶋一茂さんは、「赤坂韓国クラブ詐欺」に遭ったエピソードを披露。赤坂の韓国クラブでは、キャストの女性がお酒のボトルの栓を絶対に客の目の前では開けず、もともと空いているボトルを持ってきて、グラスに注いでいたそうだが、その中身が、ボトルのラベルに表記されているも銘柄とは違う、安い酒だったそうだ。長嶋さんは「お姉ちゃんがかわいいから許せる」と笑い飛ばしていた。
高嶋さんや長嶋さんは、詐欺罪の被害に遭ったといえるのか。大和幸四郎弁護士に聞いた。
高嶋さんの事例についてはどうだろうか。
「資本主義社会においては、無料は基本的にはないと思います。
しかし、今回の事例のように『持っていっていい』と言われ、『本当ですか』と答えた場合、贈与契約が成立すると考えられます」
ただ、その後、おじさんは高嶋さんに魚を売りつけていたが、問題はないのか。
「鮮度の低い魚であることを知っていれば、高島さんは魚を購入しなかった可能性が高いでしょうから、そのことを隠して魚を売って1万円を支払わせたのであれば、詐欺罪(刑法246条1項)にあたる余地があります。状況次第ですね」
長嶋さんの事例についてはどうだろうか。
「長嶋さんの場合は詐欺罪が成立しない可能性が高いです。
詐欺罪が成立するためには、『だます行為』(ボトルのラベルの銘柄とは異なる、安い酒を提供する行為)によって錯誤(安い酒を高い酒と誤信すること)におちいり、その結果お金を払う、という因果関係が必要です。
しかし、長嶋さんはボトルのラベルとは異なるお酒が注がれていることがわかっているので、詐欺罪が成立するとは考えにくいです」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
大和 幸四郎(やまと・こうしろう)弁護士
佐賀県弁護士会。2010年4月~2012年3月、佐賀県弁護士会・消費者問題対策委員会委員長。佐賀大学客員教授。借金問題、刑事・男女問題など実績多数。
事務所名:武雄法律事務所
事務所URL:http://www.takeohouritu.jp/