93万4858円。これは2018年12月に経団連が発表した「2018年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」に掲載された、大企業のボーナス平均額だ。2017年末に比べて6.14%増という驚異の伸び率で、過去最高額を更新した。伸び率が6%を超えたのは1990年以来、28年ぶりだ。好景気と言われて久しいが、やはりお金のあるところにはあるのだろう。
一方で、「ボーナス?何それ??」「自分には関係ない」という人もいる。企業口コミサイト「キャリコネ」には、ボーナスが少ない企業で働く人々のリアルな声が寄せられている。
「1.3か月分くらいしか出ない」
「昇給なし、ボーナスは寸志。サービス残業も少しあった。同業他社では給料やボーナスも多いので、そこに転職する人もいる」(生産・製造技術 30代後半男性 正社員 年収260万円)
「内勤だと正社員でも手取り15~17万が限界。外回りで10年働いても19万前後が限界。ボーナスも1.3か月分くらいしか出ない」(サポートエンジニア 20代後半男性 正社員 年収250万円)
「基本給が低くボーナスも少ないので、社内の人は出張に行きまくり、手当てで補填している。そのため無駄な出張が増えて経費が増え、業績も上がらないという悪循環に陥っている」(ルートセールス 30代後半男性 正社員 年収450万円)
ボーナスは貰えるが、金額に満足していないという口コミが多く寄せられた。寸志程度の額、基本給の1.3か月分など、とても93万円に及ばない金額だ。
ボーナスはモチベーションに直結する部分でもあるため、あまりに低い金額が続く場合、働く意欲がそがれてしまう。増える見込みがなければ、転職を検討する人が出てもおかしくない。
「契約社員には寸志ですらボーナスがない。正社員もとても少ない」
「ボーナスはここ10年、10万を超えることはない。査定は実に適当で、評価項目は5つくらい。店長がどんなに評価しても最後は役員のさじ加減ひとつで決まる。直近ではとうとう査定自体なくなってしまった」(店長 40代後半男性 正社員 年収350万円)
「はっきり言って少ないです。昇給もほぼありません。上司の好き嫌いによるところが多いです。契約社員には寸志ですらボーナスがなく、正社員でもとても少ない」(印刷関連専門職 20代後半男性 契約社員 年収250万円)
「ボーナス等の査定の基準はよくわからない。基本給がかなり少ないため、ボーナスも少ない。退職金も同等で少ない。業績でボーナスが増減することはない」(技術関連職 20代後半男性 正社員 年収350万円)
ボーナスの査定基準がわからないという声も目立った。10年もの間、ボーナスが10万円に届かないなど、業績や評価に関係なく少ない金額で我慢している現場が存在するのだ。10年も勤務していれば、本来ならば昇進や昇給があり、給料もボーナスも上がっていくはずだ。金額が変わらず、そもそも10万円を超えないというのは、どのように評価された結果なのか疑問が残る。
もちろん、企業によって規模も利益も違うため、社員に還元できる金額も変わってくる。中小企業ではボーナス支給が難しいのが現状だ。しかし、会社に利益をもたらしている人物が正しく評価されず、ボーナスに反映されないというのは、不公平感が募る。収入は社員の生活にダイレクトに影響する。企業は見合った利益を還元する努力をすべきだろう。