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井戸に落ちた2歳児の遺体発見 13日間の救助活動の末に(スペイン)

2019年01月27日 11:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

井戸に転落し死亡した2歳男児(画像は『The Sun 2019年1月26日付「GOODBYE JULEN Body of boy, 2, found dead after 250ft well plunge arrives at funeral home to be met by heartbroken family and friends」(Solarpix)』のスクリーンショット)
スペインで1月13日に発生した井戸に2歳男児が転落する事故。その後、救助隊による懸命の救出作業が続いたが、26日未明に男児の遺体が発見されるという最悪の結末を迎えることになってしまった。『The Sun』などが伝えている。

ホセ・ロセロさん(29歳)とヴィッキー・ガルシアさん(29歳)の次男フレン・ロセロ君(Julen Rosello)がスペインのマラガ東部トタラン近くにある井戸に落ちたのは、1月13日の午後2時頃のことだった。

昼食の準備をしていた両親のもとから抜け出したフレン君が、深さ100メートルほどある直径25cmの井戸に落ちたことが明確になったのは、井戸の中の土や瓦礫から検出された毛髪だった。DNA鑑定で毛髪がフレン君のものと確定してからは、スペイン北部とスウェーデンからの鉱山の救出専門家チームが呼び寄せられ、懸命の救助活動が昼夜を問わず行われていた。

事故が起こったのは家族が所有している土地で、井戸はホセさんの親戚の要請により1か月前に掘られたばかりだった。結局水は出ず、試掘者は警察に穴を塞いだと話したが、実際は複数の石で覆われていただけで穴はきちんと覆われていなかったとフレン君の両親は主張していた。地元当局は井戸掘削の許可を出しておらず、井戸は違法に掘られたものだったようだ。

救助隊らは、試行錯誤を重ねて井戸に平行したトンネルを11日間かけて掘る作業に尽力し、フレン君がいるとされる地点に到達すべく、今度は水平に約4メートルのトンネルを酸素タンクを装備しながらつるはしやエアハンマー、更には少量の爆薬を使って掘り進めた。そして現地時間1月26日の午前1時25分にフレン君を発見したが、残念ながら既に息を引き取っていた。遺体発見から数分後、両親にも電話で伝えられたという。

ホセさんとヴィッキーさんにとって、救助が続けられていた13日間は何か月にも感じるほど苦悩の日々だった。不眠不休で救助活動を行う救助隊らに涙を流して感謝の言葉を述べながらも、「息子が生きていることを絶対に諦めない」と口にしていたホセさん。しかしその祈りは届かなかった。ホセさんとヴィッキーさんは、2017年に突然の心臓発作で長男オリバー君(当時3歳)を失っており、今回フレン君に最悪の結果が出たことで2度の悲劇に見舞われることとなった。フレン君の無事を祈り続けてきたホセさんは心労が重なったのか、フレン君の遺体が発見される前晩にパニックを起こして救急隊員に治療を受けていたようだ。

中央政府から南部アンダルシア自治州に派遣されているアルフォンソ・ロドリゲス・ゴメスデセリス氏(Alfonso Rodriguez Gomez de Celis)は、「残念ながら多くの努力がなされたにもかかわらず、男児の命を救うことは叶いませんでした。男児の冥福を心から祈るとともに一家には深いお悔みを申し上げます」という声明文をTwitterで発表し、両親への追悼の言葉を寄せた。

フレン君の遺体は治安警察隊によって地上に引き上げられ、現在事故や死因についての調査が行われている。このニュースを知った人からは、「井戸がちゃんと塞がっていればこんな事故にはならなかったのに。本当に悲しい。フレン君安らかに」「両親の気持ちを思うと心が痛む」「子供を失うことほど親にとって辛いことはないのに、子供2人に先立たれるなんて…やりきれない」「心からお悔み申し上げます」といった声があがっている。

画像は『The Sun 2019年1月26日付「GOODBYE JULEN Body of boy, 2, found dead after 250ft well plunge arrives at funeral home to be met by heartbroken family and friends」(Solarpix)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)