2019年のWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロは1月26日、SS9~12が行われ、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が総合首位をキープが、4.3秒差後方にティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、僅差の優勝争いが繰り広げられている。
前日、わずか2秒差となっていたオジエとヌービルの優勝争いは、この日も接近した争いとなった。
競技3日目最初のステージとなるSS9は全長29.82kmと今大会最長距離で争われるステージ。競技が行われるフランス・ギャップは天候に恵まれたものの気温が低く、コースにはアイスバーンや雪が残る難しいコンディションとなった。
ここでオジエはヌービルに3.6秒差をつけてリードを拡大。続くSS10では0.3秒ほど差を詰められたものの、オジエは5.3秒のリードを持って午前の走行を終えた。
サービスを挟んで迎えたSS11ではヌービルが反撃して4.1秒まで差を詰めたものの、SS12ではオジエが0.2秒上回ってステージを完走。両者は4.3秒差で27日の競技最終日に臨む。
「ハッピーな1日だよ。昨日よりリードが倍になっているんだからね」とオジエ。
「明日のステージはC3 WRCの特性にマッチしていると思う。(速度域の高い舗装路で争われる)ラリー・カタルーニャに近いと表現するドライバーもいる。雪や高度の違いはあるけどね」
■3台のトヨタ・ヤリスWRCが全ステージ制圧
そして難しいコンディションとなった競技3日目に、オジエやヌービルを上回るペースを見せたのがトヨタ勢。この日行われた全ステージでステージ1位、ステージ2位を獲得する圧倒的な速さをみせつけた。
この結果、SS10でステージ2位に入ったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手。全ステージでトップにつけたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が15秒後方の総合5番手につけた。
SS9、11、12でステージ2位につけたクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)は総合6番手でタナクとは3分10秒8の差がついている。
ライバルとは違い、午後のステージにスタッドなしタイヤで臨んだタナクは「周りと違うことを試すことを勧めてくれたスタッフに感謝したい」と述べた。
「もしコース上にもっと氷が張っている箇所が多ければ、タイムを失っていたもしれない。ただ走り出してすぐにいいペースを掴めたし自信も持てたよ」
「明日も同じペースを発揮できたらいいね。今日と同じようなドライのターマック(舗装路)でのステージになるだろうから、まだポジションを上げるチャンスは残っている。どんな展開になるか予想がつかないけど、全力で挑むよ」
オジエ、ヌービルに続く総合3番手はWRC9連覇の経験を持つレジェンド、セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得。前方のヌービルとは2分近い差がついているが、後方のラトバラとは2.3秒差で表彰台を争っている。
前日総合3番手だったアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)はSS9の最終コーナーで土手にヒットしてマシンの左リヤを破損しリタイアしたほか、エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)も同じくSS9でエンジントラブルがありリタイアとなった。
そのほかエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)も立ち木にクラッシュしてリタイアするなど、上位クラスにリタイアが相次いだこともあり、WRC2プロを争うガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)が総合7番手に食い込んでいる。
トミ・マキネン・レーシングのフィエスタR5で戦う勝田貴元は総合13番手。R5車両では7番手のポジションにつけている。
競技最終日となる27日はSS13~16で争われる。このうち最終ステージのSS16はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとして争われる。