2019年のWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロは1月25日、SS3~8が行われ、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が総合首位に浮上、総合2番手にティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合3番手にアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いている。
2019年シーズンのWRC開幕戦となるラリー・モンテカルロ。競技2日目となる25日は合計で6つのSSで構成され、その合計距離は今大会最長の125.12kmとなる。
そのため各ドライバーは、この1日でライバルとの差を広げたいところだったが、最初のステージであるSS3はフィニッシュ地点付近に観客が集まりすぎ、安全を確保できないとの理由から走行がキャンセルされてしまった。
続くSS4から実質的な競技がスタートし、ここでステージ2位に入ったヌービルが総合首位に浮上。続くSS5終了時点で総合2番手オジエと3.4秒差をつける。
しかし、ヌービルはSS6のスタート直後、Y字路にオーバースピードで飛び込んでしまいオーバーシュート。コース復帰に20秒近くをロスしてしまった。
このSS6は20.04kmと比較的距離の長いステージだったこともあり、最終的にはトップのオジエと2秒差のステージ4位に食い込んだヌービルだが、総合でのリードは1.4秒まで削られた。
なんとかトップの座を守ったかに思えたヌービルだったが、続くSS7ではオジエに24.7秒ものギャップをつけられてしまい、総合2番手に陥落。代わってオジエがトップに浮上した。
競技2日目の最終ステージとなるSS8ではヌービルがオジエに反撃。オジエとの差を2秒まで押し戻している。総合3番手のミケルセンはオジエと1分17秒7のタイム差がついていることもあり、総合優勝争いはオジエとヌービルによる一騎打ちの様相を呈している。
「僕とティエリー(ヌービル)だけが先頭争いをしているけれど、モンテカルロでは一瞬で状況が大きく変わるものだ」とオジエ。
「明日(競技3日目)も限界まで攻める必要があるけど、ほかのどのラリーよりもセーフティな走りをしなくてはならない」
「もう少し攻めた走りもできるけど、モンテではつねに注意深く走ったほうが好成績を手にしやすいからね」
競技初日を総合首位で終えていたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)はSS4で総合2番手にポジションを落とすと、続くSS5でもひとつポジションを落とす苦しい展開。
さらにSS7では走行中にタイヤがパンクし、ステージ途中でのタイヤ交換を余儀なくされてしまい、さらにポジションダウン。トップから2分34秒9遅れの総合7番手で走行を終えた。
チームメイトのクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)は一時総合6番手までポジションを上げたものの、ホイールリムが破損するアクシデントがあり総合8番手。大きなトラブルなく走りきったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手につけている。
ラトバラに続く総合5番手はヒュンダイでのデビュー戦を戦っているセバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合6番手はエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)だ。
トミ・マキネン・レーシングのフォード・フィエスタR5で今大会に参加している勝田貴元は総合15番手で完走。R5車両のなかでは7番手につけている。