1月24日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで第57回ロレックス・デイトナ24時間レースの公式予選が行われ、マツダチーム・ヨーストはオリバー・ジャービスがドライブした77号車マツダRT24-Pがポールポジションを獲得。また、ジョナサン・ボマリート駆る55号車マツダRT24-Pはセカンドロウの4番手につけた。
マツダチーム・ヨーストが参戦するIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦デイトナが24日に開幕。その走行初日となった同日のデイトナビーチは朝早くから雷雨に見舞われ、レーススケジュールが心配された。
しかし、10時20分のフリープラクティス1開始前には曇り空に変わり、セッションはウエットとドライの混じったダンプ路面で行われた。このFP1でマツダの2台は無理なアタックはせずにタイヤの皮むきと、ドライバーの慣熟走行に焦点を当てている。
晴天の下、ドライコンディションで行われたFP2では全ドライバーが交代でマツダRT24-Pのステアリングを握り、最後にボマリートとジャービスが予選に向けたセットアップの確認を実施。そのなかで55号車をドライブしたボマリートがセッショントップタイムをマークしたことで、チーム内にポールポジションへの期待が一気に広がることとなった。
迎えた予選は定刻16時25分から15分間で争われた。マツダチームのなかでまずアタックに入ったのは55号車のボマリートだ。アウトラップ後の計測2周目に全体トップタイムをマークしたボマリートは、4周目に自己ベストを更新する1分34秒212を記録。しかし、これはライバルのアキュラ・チーム・ペンスキーの2台に交わされてしまう。
一方、55号車よりも遅れてアタックを開始した77号車は、ジャービスが計測3周目に暫定トップタイムとなる1分33秒957をマークすると、連続アタックの2周目にはライバルを突き放す1分33秒685というタイムをマークしてみせた。
このタイムは1993年にトヨタ・イーグルMk.IIIが記録した1分33秒875というレコードタイムを26年ぶりに更新するもの。マツダはこのタイムをもってデイトナ24時間初の総合ポールポジションを獲得している。また、55号車マツダは予選4番手の好位置からスタートを迎えることが決定した。
「僕たちにとって今日、もっとも重要なことはポールポジションを獲ることだった」と語るのはかつて日本でも活躍したジャービスだ。
「“ロア”で非公式のコースレコードを打ち立てたことで、それが何を意味するのかを理解できた。コースレコードが26年間も更新されないなんて信じられないことだよ」
「正直なところ、今朝の雨の影響で記録を破れるかどうか確信はなかったんだ。それでも新たなレコードを打ち立てられたのはチーム全員がオフシーズンも休みなく一生懸命に働いた結果だと思う」
■マツダチーム・ヨースト代表「決勝も良い結果で終われるよう、準備を進めていく」
また、マツダUSAモータースポーツ担当ディレクターを務めるジョン・ドゥーナンはチームの快挙に次のようなコメントを寄せた。
「マツダのモータースポーツヒストリーのなかで未達だったデイトナでのポールポジション獲得が叶い、うれしく思う。また、多くのマツダファンやディーラーなどの関係者からの期待を受けるなかで、週末に向けて良いスタートを切ることができたと考えている」
ドゥーナンもまたジャービスと同様に、新レコードタイムでのポールポジション獲得の裏にチームのたゆまぬ努力があったと説明する。
「今回コースレコードを更新できたのは、短いオフシーズンの間にチームが一丸となってマシンの開発に注力したからに他ならない」とドゥーナン。
「シャシーはマルチマチックが、エンジンはAERが、そしてクルマ全体のマネジメントと熟成はもちろんチーム・ヨーストが担当しているが、彼らとドライバーたちを含めた全員が力を合わせたからだ」
「私たちはこれらすべてのを合わせて“ワンユニット”なんだ。本戦の24時間レースでもこのような良い結果で終われるよう、スケジュールに従って準備を進めていくよ」
マツダのIMSA最高クラス初優勝がかかる2019年デイトナ24時間は、26日14時35分(日本時間27日4時35分)にスタートが切られる予定だ。なお、このレースの模様はJ SPORTS/J SPORTSオンデマンドで生中継されるほか、IMSA公式サイトでもライブ配信される。