マクラーレンからF1にデビューするランド・ノリスは、これまでは恵まれた環境の中で何度も優勝を飾ってきたが、2018年にFIA F2のタイトルを逃したことで“自分は常に優勝できるわけではない”ということを学んだという。
カート時代から頭角を現し、レースの才能を誇っていたノリスは、2017年のFIAヨーロピアンF3選手権でのタイトル獲得を含め、何度もレースで優勝した経験を持っている。
こういった功績のおかげで高い評価を受けた彼は、マクラーレンの育成ドライバーとして2018年にF2初年度を迎えた。最終的には1勝を挙げてランキング2位でシーズンを終えたが、彼のパフォーマンスはマクラーレンを納得させ、F1のシートを獲得するのに十分なものだった。
ノリスは、タイトルを逃した2018年シーズンにもポジティブな点があったと考えており、マクラーレンが再び上位を争えるようにするために、カルロス・サインツJr.のチームメイトとしてやっていくことに備えてこの経験が役に立つはずだという。
1月上旬にオートスポート・インターナショナル・ショーに出席したノリスは、「2018年はタイトルを獲れなかったけれど、“常に優勝できるというわけではない”ということを学ぶのに良い年だった」と語った。
「思い上がっているわけではないけれど、僕は常に良いチームにいて、僕の周りには素晴らしいスタッフがいた。そのおかげで僕はより良いドライバーになれたし、レースで勝ってタイトルを獲ることができた。他のドライバーとは違う経験ができたんだ」
「その一方で、F1は(これまでとは)大きく違う。毎年大きな変化があるし、いつも自分の望むところにいることができるわけではない。僕はそういうことも学ばなければならない。2018年からはどうやって成長し、進歩していくのか、そしてどのようにより良いチームになっていくのかということを学び始めた」
「F2やF3はワンメイクのシリーズなので、自分で変えることができるものは(F1よりも)少ない。F1では全てが異なる。人もマシンもエンジンも、あらゆるものが違うんだ」
「全体的により良いものにしていくために、うまくやっていかなければならないことはたくさんある。僕はまだ完璧なドライバーにはなれていない。だけど時間とともにもっと成長し、自分自身やチームを助けるという点でも良いドライバーになれるだろう。そして願わくば、いつかチャンピオンになりたい」
■「僚友サインツJr.に勝ちたい」と貪欲さを見せたノリス
2019年のマクラーレンは、ドライバーラインアップが一新されただけでなく、ポルシェがWEC世界耐久選手権に参戦していた際にLMP1クラスのプロジェクトを率いていたアンドレアス・ザイドルがマネージングディレクターとして加入した。
ノリスは、チームメイトとなるカルロス・サインツJr.から可能なかぎり多くのことを学ぼうという熱心な態度を見せた。
「ドライバーにとって、チームメイトを倒すというのはひとつの目標だ。もちろん、彼(サインツJr.)も僕に対して同じことをしようとするだろう」
「理想的な話をすると、もし僕がパーフェクトなドライバーだったら、誰がチームメイトであっても全てのレースでその人に勝てるだろう。そんなことは起こりそうにないけどね。そういう状況に身を置くことはないだろう。だから、僕はカルロスや彼以外のドライバーからも学ぶ必要がある」
「ドライバーとして向上していくことも必要だ。2019年はF1で1年目のシーズンになるので、間違いなくうまくいかないことも、改善できることもあるだろう。そういことが、僕をもっと良いドライバーにしてくれるはずだ。もちろん、何度か彼に勝ちたいと思っている」
「全てのレースでチームメイトを打ち負かすようなドライバーは、そういないだろう。2019年は学びの年なので、学習できることがたくさんあればと思っている。うまくやりたいけれど、それと同時に学びたいし、進歩してより良いドライバーになりたい」
「非現実的な話をするなら、僕は全てのレースでうまくやって、全員に勝ちたい。だけどそんなことは起こらない。僕は自分がF1にいる価値のあるドライバーだということを証明する必要がある」