2018年末でF1の世界を離れたフェルナンド・アロンソが、3度目のタイトル獲得を成し遂げられなかったにもかかわらず、キャリアを通して自分の決断に関しては何ひとつ後悔はないと改めて語った。
2001年から2018年にF1で活動したアロンソは、史上最強ドライバーのひとりとの評価も受けながら、チャンピオンとなったのは2005年と2006年の2回のみ、優勝32回、ポールポジション22回と、F1の歴史のなかで最高の記録を残したとはいえない。
アロンソは正しいタイミングで正しいチームにいることができなかったドライバーであるとしばしば言われ、マクラーレンを2007年末で離脱したこと、2014年末でフェラーリを去り、マクラーレン・ホンダに移籍したことは彼自身の判断ミスだという声もある。しかしアロンソは、そういった批判に改めて反論した。
「未来が見える水晶玉など現実にはないのだから、決断を下すのは簡単なことではない」とアロンソは言う。
「キャリアの区切りを迎えるまで、何が正しかったのかは分からない。2010年にフェラーリに加入したが、それについては、その時点で(ドライバーなら)10人中10人が僕と同じ決断をしただろう」
「2015年に向けてマクラーレン・ホンダと契約した。2014年の間はそれはとてもいい判断だと言われていた。そのころフェラーリのターボエンジンはあまりよくなかったからだ」
「一方(2015年からタッグを組む)マクラーレンとホンダは2014年を開発に充てることができた」
「いい話を聞いていたし、(チャンスが与えられたなら)ドライバーの10人中9人が僕と同じことをしたと思う。あの時点ではあれはいい判断だったのだ」
■「F1ドライバーのなかでは自分は幸運な方」とアロンソ
F1でランキング2位を3回、ランキング3位を1回と、タイトルを惜しくも取り逃がしたシーズンが幾度かあったものの、それでも自分は十分幸運なドライバーだったと、現在37歳のアロンソは語った。
「後悔するようなことはあまりない。自分の決断に満足しているんだ」とアロンソ。
「F1では勝者はひとりだけで、残り全員が敗者だ。F1で完全にハッピーなのはルイス・ハミルトンだけだ。それ以外は、2位であろうと、7位であろうと、12位であろうと同じことだ」
「僕はタイトルを2回獲得し、表彰台に97回上った。一方で、ニコ・ヒュルケンベルグのようなすごい才能の持ち主が、表彰台に一度も上っていない。セバスチャン(・ベッテル)はしばらくタイトルから遠ざかっているし、(マックス・)フェルスタッペンもまだチャンピオンになっていない。(ダニエル・)リカルドも素晴らしいドライバーなのに、タイトルを獲れずにいる」
「彼らは皆、運がないと言えるかもしれない。でもそれがF1であり、モータースポーツだ。(オビエドという)スペイン北部の町でカートを始めた人間が2回ワールドチャンピオンになったんだ。後悔することなど、あるわけがない」